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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

老いと芸

ようやく観世会定期能の鑑賞記も書き終わり、さて次は何のテーマに・・・と考えていたのですが、テーマに移る前に、ふと前々から気になっている話を書いてみようかと思い立ちました。


それは演者が年齢を重ねるということと、芸の問題。
世阿弥の能芸論などを読んでいると、歳を重ねる中に本当の花が咲くといった感じに読めるのですが、これは世阿弥自身について言えば「かくあった」ではなく「かくありたい」ということなのだろうと思います。


どうも、世阿弥が活躍した時代の能というのは、現在の能とは随分違っていたようで、まずもって能は「古典」ではありませんでしたし、かなり奇抜な演出もあったらしい。
一曲の上演時間も、現在の半分程度だったのではないかと言われていて、テンポが速く、しかも同じシテが日に何番も能を勤めたらしい。
この間の浅見真州さんの独演三番能は、現代の試みとしては破格だと思いますが、当時は日に七番とか十番とかいうのもあったらしいのです。
それでは年齢を重ねてはとても演技できませんよね。


しかし、世阿弥の後の世になって、世阿弥の理想とした方向に能が進化していったということなのでしょう。
幽玄が尊ばれるようになり、激しい動き、物真似中心から、ゆったりした動き、深い情趣の方向に舵が切られていくことで、高年齢の演者も活躍の場が出来てきたのでしょう。


とは言え、いったいどこまでが芸の高まりなのか、どこからが無理なのか、この境はとても微妙なところだと思います。
最後は、自分自身の感性を信じて、誰がなんと言っても「良い物は良い」し「気に入らない物は気に入らない」と言い切ってしまうしかないなあ、と思っています。


といいながら、高齢の方の舞台を見るにつけ、気持ちが揺れ動くのを感じます。

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