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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鬼を真似る・・・清水のつづき

さて不承不承出かけることになった太郎冠者ですが、うまい子細を思いつきます。
主人が大切にしている桶を置いて、泣きながら返ってくることにしたわけです。


主人がどうしたと聞くと「鬼が出た」との返事。主人は大事にしている桶のことが気になって仕方ないので、桶はどうしたのかと問いますが、太郎冠者は鬼に投げつけたところ、バリバリと音がしたので鬼が食ったのだろうと返事します。
しかし桶が惜しい主人は、取り戻しに行くと言って聞きません。
そこで太郎冠者は野中の清水に先回りして、鬼の面を被り主人を驚かすことにする訳です。


この鬼の面を後見座に行って被り、アドの主人がやってくると「取って噛もう」と脅かします。
主人は驚き命乞いをしますが、それに対して悪乗りした太郎冠者は「召し使っている太郎冠者に酒を飲ませろ」とか「蚊帳を吊ってやれ」などと言いだし、主人に約束させる始末。
とにもかくにも主人は這々の体で逃げ戻り、太郎冠者に鬼が出たことを告げます。


鬼の面、武悪を被っての演技は、やはり大変だろうと思います。舞台にとても近い席だったので、万蔵さんの滴る汗が見えます。


さて太郎冠者の時はどうだったか、と主人が問うのに答えて、太郎冠者は、鬼が「取って噛もう」と恐ろしげに迫ってきたと述べますが、それを聞いていた主人、この「取って噛もう」という声が、清水で出会った鬼と同じ声だと気付いてしまいます。


ここからがまた見せ場で、なにやら主人が気付いた様子に太郎冠者も警戒し、鬼はどのように脅かしたのかと問われても、打って変わって小さな声で「取って噛もう」と繰り返します。
この落差が面白いところで、万蔵さんのこうしたところの飄逸振りはなかなかのもの。表情がなんとも言えません。
結局は主人に見破られて追い込みの形で終わりますが、何度見ても楽しい狂言です。


ところでこの鬼の真似ですが「取って噛もう」とする場合と「いで食らはう」とする場合があります。最近見たところでは、大藏の確か千太郎さんか基誠さんだったと思うのですが「いで食らはう」としていた記憶があります。

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