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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

里女の嘆き・・・黒塚のつづき

萩小屋の中のシテに、ワキ、ワキツレが声をかけ宿を乞います。
シテは一度は断りますが、ワキが重ねて乞うために、とうとう宿を貸すことにして作り物から出てきて正中に着座。ワキ、ワキツレはワキ座に着座します。


今まではシテの入った作り物がシテ里女の家で、ワキの一行は家の外から声をかけていたわけですが、シテが作り物を出て着座したところから、舞台全体が家の中という設定に変わり、作り物は今度はシテの閨(ネヤ)という設定になります。
このあたりの舞台や作り物の使い方は、まさに能らしいですね。


舞台の設定が変わるのに合わせて、後見が枠かせ輪(ワクカセワ。カセは木偏に上下、峠や裃の山偏・衣偏の代わりに木偏を書いた字)を持ってきます。
これは糸繰りの道具なのですが、見慣れぬ道具に「何と申したる物にて候ぞ」とワキが問います。さらにワキの求めに応じて、シテはこの枠かせ輪を回し糸を繰る様を見せます。


糸繰る手を止めて、クセでシテは六道輪廻の苦しみを嘆きますが、再びロンギで地謡と掛け合いながら糸を繰ります。このクセを挟んだ前後で、微妙に輪を回す速さが違う感じを受けました。
最初はゆっくりと静かに回しますが、ロンギでは謡に合わせて少し回し、また回し、そして回す手が速まってきて、ふっと止め「いかに客僧達に申し候」と、ワキに声をかけます。何かを思いきったような、そんな感じが出ていました。


シテはあまりに夜寒なので山から薪を取ってくると言い、つっと立ち上がって橋掛りに向かいますが、「や」と常座あたりで立ち止まり、振り返って「閨の内を見るな」と、繰り返し言い置いて中入りとなります。
この振り返った感じも、また、向き直って足を速めながら橋掛りを進む感じも、なんとも言えない恐ろしさを内包しているように感じられます。


中入りするとアイが舞台に入ってきて、閨の内が気になって寝られないと大騒ぎになります。道成寺の能力や山姥の所の者など、後場で鬼女などが登場する曲のアイは、えてして気分を変えるような演出になっていますね。
明日につづきます

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