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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鳥追舟の母子・・・鳥追さらにつづき

日暮殿がワキ座に着座すると、後見が鳥追舟を持ち出してきます。
能の舟は、ご存知の方もおられると思いますが、竹で組んだ枠だけといったら良いようなものです。この舟に鳥追舟ということで、葉を付けた竹を前の方に立て、後方には鞨鼓を括り付けた台を立てて、この間に紐を渡して鳴子を四つ五つ下げたものです。
これはこれでなかなか風情があるのですが、後見が持ち出してきてワキ正に据えました。


後シテが子方を先にして登場し、左近尉が続いて素袍の肩を脱下げにして棹を手に登場します。そして順に舟に乗り込み、左近尉が舟を漕ぎ出す形になります。


ところで、竹や鞨鼓、鳴子などは舟の右舷、正面客席から見ると左側に取り付けられています。ワキ正側から見るとシテの姿はこうした作り物の向こう側になります。
この鞨鼓などを舟の右舷に置くのか左舷に置くのかは流儀によっても違うようで、確か観世流では左舷、正面席から見て右側にあったと思います。


この後、仕舞などでも演じられる鳥追ノ段につながっていきますが、これも舟から降りて舞う形と、舟に乗ったままで舞う演出と両方あります。
実は鞨鼓が舟の右舷にあるのか、左舷にあるのかは、この鳥追ノ段を舟の中で舞うのか、外で舞うのかにも関わってきます。
この日は舟の中でそのまま舞う形でした。これだと正面から見ているとシテが子方の後になり見難いし、動きも小さくなってしまいがちですが、しかし自然の流れとしては舟から降りるのも変ですし、制約された中でのシテの動きというのもまた能らしい雰囲気があるように思います。
いずれにしても微妙なところですが、それぞれに主張がありそうですね。


やがて日暮殿が鳥追舟を近づけよと呼び掛け、花若から事の子細を聞いて左近尉を討とうとします。しかしシテは、そもそも長年の留守が原因と日暮殿を諭し、ハッピーエンドとなるわけです。最後の謡では花若が家督を継いで栄えたとの文句があり、日暮殿、シテ、子方はそのまま幕に入って、左近尉が留めの拍子を踏む形。
なかなかに味わいのある一曲でした。

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