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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

望月のつづき

地謡・囃子方が着座すると静かにシテの出になります。
度々書いていますが、出の囃子無しに登場するというのは難しいのではないかと思います。
シテの工藤さん、ゆったりと振る舞い、格調があります。
名乗った後に、主君の安田友春が望月秋長に殺され、難を逃れた自分はここ近江の国、守山の宿で兜屋という宿屋の主人になっていると語ります。


・・・おっ。そうなんです。観世流で望月を見慣れている方は、不思議に思われるかもしれませんが、最初に登場した時点でシテは自らの素性や事の経緯を語ります。
観世では、登場したシテは「近江の国 守山の宿、甲屋の亭主である」と名乗りますが「さる子細あって」というだけで、子細を語らずに、ツレ・子方の出を待ちます。


これ、どうも観世流の方がいつかの時点で詞章や演出を直したらしく、金剛流以外の各流でも、登場したシテは事の子細を語る形になっているようです。
亡くなった主君の名前、安田友春も、観世では安田友治ですし、兜屋も甲屋と違っています。他にも違いがありますが、それはおいおい


さてシテの名宣リに続いて、次第の囃子でツレ(友春の妻)と子方(友春の遺児 花若)が登場します。
ツレと子方は故郷の信濃の国を離れ、守山の宿に着いたところ。宿を求めて兜屋を訪ねます。
シテは二人を招じ入れると、独り言の風で「なんと不思議のことに、宿泊を求めてきた客は、亡き主君の北の方と、遺児花若である」と述べて、あらためて二人に名乗ります。
シテが独白する形は狂言では普通ですが、能ではあまり見かけませんね。


それにつけてもたまたま宿屋の主人になっていると、そこへ亡くなった主君の妻子が泊まるというのも、随分上手くできた話ですが、さらに驚いたことには、そこへ主君の敵、望月秋長までもがやってくるという話。
さてこのつづきはまた明日に

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