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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

観世九皐会11月定例会を観に行く

とある方から九皐会のチケットを頂くという幸運があり、一年ぶりに九皐会を観に出かけました。お陰様で心から感謝しております。
矢来の能楽堂は9月の円満井会でもお邪魔していますが、舞台と客席が近い分、一体感が増すような気がしますね。


曲は遠藤六郎さんの佛原と佐久間二郎さんの船辨慶、狂言が山本則俊さんで昆布売でした。


佛原は平家物語に出てくる佛御前の霊が主人公の曲であまり上演回数の多くない曲。
前にもご紹介した大角征矢さんによる「観世流演能統計」だと150位。観世流では年に一度くらいの割で上演されるかなあ、という程度です。宝生は現行曲としていないようですし、他流でもほとんど上演されていないのではないでしょうか。


一方の船辨慶は圧倒的な人気曲。まあ、実に良くできた構成の曲ですし、当然といえば当然なのですが、観世流だけでも年に20回を超える上演があるようです。


それぞれの鑑賞記録は例によってまた明日から書いていきたいと思います。
今日はこの後、望月の最後の部分をアップしようと思っています。

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獅子の舞・・・望月さらにつづき

シテは謀って、ツレが盲御前に扮して望月に近づくことにします。
三人は望月の部屋を訪ね、酒を供し、盲御前の謡を聞かせることにします。ツレは曾我物語の一節を謡おうとしますが、まさに敵討ちの話でして、アイは止めようとします。ワキはこれを許して謡が始まりますが、最後の「敵を討たせたまへや」の句に重ねるように、子方が「いざ討とう」と叫びます。山根あおいさん、ここもなかなか上手い。


すかさずワキとアイが刀に手を掛け身構えますが、ここは活劇としても見せ所。
シテの「八撥を打とうということ」との取りなしで、今度は子方が鞨鼓の舞を見せることになります。
一方シテは獅子舞を見せることになり、用意をすると言って中入りになります。


アイの短い立ちシャベリの後に、子方の鞨鼓の舞。これもなかなか上手です。
舞上げた後に、子方が一句謡って幕を見込むと乱序の囃子。石橋と同じ獅子の出の形で、一度幕を半分上げてシテの下半身を見せ、幕を下ろした後、あらためて幕が開いて後シテの出になります。(これを半幕といいます)
観世流では鞨鼓が終わるとすぐに乱序が始まり、子方の謡がありません。微妙に違いますね。


石橋は伝説の霊獣である獅子が現れて舞うという設定ですが、望月はあくまでも人間が獅子の舞をするという形のため、赤頭も短く金無地の扇二枚と緋縮緬で獅子頭らしい形を作ります。金剛流だけにある内外詣も、神官が獅子舞を舞うという設定なので、望月と同じ装束ですね。(一度テレビですが観たことがあります)


シテの獅子舞、石橋のように一畳台上で舞うようなスリルはありませんが、勇壮な雰囲気で楽しめます。惜しむらくは最後の方で獅子頭がずれてしまったことですが、最後まできちんと舞上げました。
舞上げると「余りに秘曲の面白さに」望月が盃を重ねて眠ってしまったとの地謡になり、シテは衣を被って伏せて、ここで獅子頭を取って白鉢巻きの姿に変わります。


観世流だとこの間にワキは笠を残して切戸口から退場してしまいますが、他流だとワキは寝入った形のまま座し、準備の整ったシテと子方がワキを襲って胸倉を取る形になります。その後、ワキは笠を残して退場、シテと子方が笠に斬りつけ敵討ちの成就で留めになります。
観世流も古式の小書きが付くと、ワキがすぐには退場せずに他流と同じ形になるようです。古式というくらいで、こちらがもとの形ということですね。


いささか鑑賞記も長くなってしまいましたが、盛りだくさんの曲で、大変面白く鑑賞しました。工藤さんの熱演、子方の好演、ワキ、アイそれぞれに活躍があり、工藤さんの能はまた観てみようと思っています。

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