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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

経正さらにつづき

型の話をもう少し。舞の型はもともとは何か意味があったのかもしれませんが、長い年月の間に抽象化されて、意味のない舞の手になっている物がほとんどです。
もっとも、例えば「雲扇」と言って、左手を差しだした上から右手に持った扇を被せ、左手をやや下の方に、右手はやや上の方に引き分ける型がありますが、これなどは日月などが上るのを遠く見やる象徴のようで、そういう謡のところで取られる型です。こうした、ある程度、何かを象徴するような型も見られます。(宝生では引分ヒラキ、金春では天ノ扇などというようですが)


さて能の方はクセの後もカケリからキリへと、流れるように進みます。
全体として抽象的な型の繰り返しが多いのですが、その分だけ、いかに気持ちを出すかが難しいかも知れません。


管弦講を楽しむ風情のクセから、瞋恚のゆえに姿を現してしまい灯を消そうとするキリへ気分の変化が楽しめます。
「あの灯を消さんとてその身は愚人夏の虫の、日を消さんんと飛び入りて」と六拍子を踏んで正先へツメて飛び入る形。さらに「嵐とともに灯火を吹き消して」と扇を開いて二つほど煽ぐ形など、このあたりは謡に合った象徴的な型を見せ「魄霊は失せにけり」と左袖を被いて下居、姿を消した形ですね。その後は静かに立って留めの拍子は踏まずにそのまま退場となりました。
小品ですが、好きな能の一つで、集中してみることが出来ました。


ところで経正は清盛の弟である経盛の長男。経盛には三男があり、経正、経俊そして敦盛の三人、つまり経正は敦盛の兄にあたります。
この経盛は母の身分の問題もあったのか、従二位中納言まで昇進した弟の教盛よりも昇進が遅れて正三位修理大夫で終わっています。そのためか経正以下の子供達も昇進が遅れて、経正は正四位下皇太后宮亮、敦盛は無官です。


そうした背景も、この能の雰囲気を形作る基礎になっているのかも知れません。
(35分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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