FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

船弁慶のつづき

ワキに呼び出された形で前シテ静御前が登場し、弁慶が義経からの伝言として「ここから都へ帰るように」言葉を伝えると、幕前で扇を持ってシオリます。さらに、自ら義経に確かめたいと、橋掛りを進んで義経と言葉を交わす形。
正中に進んで子方に向かって下居しますが、以前から書いているように下掛りは下居の際に右膝を立てる形になります。この形だと唐織の合わせ目が立てた膝の側になってしまい裾が乱れがちです。そこを永謹さんはさりげなく右膝に手を添える形で裾の乱れを抑えました。・・・細かいところですが、素敵な気配りと思います。


さて、義経から直接の言葉を聞いて静も納得しますが、この地謡のうちにアイが静かに登場して狂言座に着します。


ワキの勧めで、静が別れに舞を舞うことになりますが、観世ではシテが「その時静は立ち上がり・・・」と謡い、地謡が「波頭の謫所は、日晴れて見ゆ」と受けて、ワキの詞「これに烏帽子の召され候へ」で物着になりますが、この日はワキがまず「烏帽子の召され候へ」と静に烏帽子を渡し物着となって後に、シテが「その時静は立ち上がり・・・」と謡い出す形でした。


ここからイロヱがありシテのサシ謡。ワキへ向かって片ユウケンを二つし、大小前に構えてクセに入ります。


以前にも書きましたが、この越王勾践の臣下陶朱公の故事を引いて舞うクセは、私の大変気に入っているところ。
型を詳しくは書きませんが、趣深いクセの舞です。


このクセに続いて序ノ舞を舞い中入りになりますが、上掛りでは中ノ舞のところ、下掛りは序ノ舞にするのが通常の形のようです。いえ正直を言うと、私はてっきり中ノ舞が始まると思っていたのですが、笛の吹き出しに「あれ?」そうなんです、笛を聞いて初めて序ノ舞と気付きました。


しかも途中から笛の調子が上がり盤渉調になりました。この盤渉序ノ舞になるのは小書のためのようですが、ゆったりとした舞が少しずつ変化し始める感じです。二段のオロシで子方に向かってシオリ、これをワキの弁慶が扇で差して制する形になります。
序ノ舞も段が進むにつれて、悲しみから優美さへと感じが変わるようで、なかなかに見事な舞でした。


舞い上げると、シテのワカから地謡が受け「船子ども」と気を変えて、優美な気持ちから一転して船出を急ぐ気分に。さらにシテは「静は泣く泣く」と正中で下居して片シオリ、烏帽子をとって中入りになります。
ワキがアイを呼び、ここで初めてアイが登場。オクリ込みになりますが、正中でシオル形のシテの後にアイが寄り添い、そっと立たせる風。そのまま幕入りまで、送りながら声を掛け続ける形になります。これは小書のためですね。
このつづきはまた明日に

スポンサーサイト



 | HOME | 

カレンダー

« | 2007-04 | »
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。