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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

須磨源氏つづき

地のクリの謡でシテは正中へ進み、下居して杖を置きます。


シテのサシ謡を地が引き継ぐ形で光源氏の生涯が謡われます。
十二歳で初冠、箒木の巻で中将、紅葉の賀の巻に正三位と輝くような道をたどるなか、二十五の年に須磨に隠棲し、都に迎えられるまでの間を過ごし、さらにその後は内大臣から太政大臣、太上天皇に准ずる位を授けられるまで進むのですが、この須磨に住んだ期間はどうだったのか、この能の舞台を思い起こさせる謡になっています。


流儀の長老、今井泰男さんの地頭ですが、抑制の利いた謡でしみじみと典雅な雰囲気が感じられます。
源氏物語各巻の名が織り込まれていますが「われ空蝉の空しき世を案ずるに、桐壺の夕べのけむり・・・」どうも、さほどの名文とも思われないので、深い趣などの出しにくいところ。逆に難しい謡と思うのですが、良い雰囲気でした。


さてその光源氏は、今は兜率天に住む身となっているが、今宵の月に天降り姿を現すだろうと述べて、老人は姿を消します。
シテは「今は兜率の」と謡って立ち上がり「天降りこの海に影向あるべし」と下を見回す形で面を使いながら角へ二、三足。
「かように申す翁も」と気持ちを変えて、ワキに向かって二足ほどツメ、さらに右へ回って常座に向かって、正面に向き直ります。


中入り前の「雲隠れして失せにけり」で持っていた杖を手放し、向きを変えて橋掛りへ進みますが、手を離れた杖がカタンと音を立てて舞台に倒れるのが「雲隠れ」を象徴するような印象がありました。


もう一日つづきます

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