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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

阿漕さらにつづき

間狂言は語りアイ。続いてワキの待謡の後、出端で後シテが登場してきます。
黒頭で腰蓑を着けた漁師の霊。一ノ松で謡った後「忍び忍びに引く網の」と後ろを向き、さらに向き直って「沖にも磯にも船は見えず」と船の姿を探すように見廻して橋掛りを進み、地謡の「なほ執心の網置かん」で常座へ進んで角に網を下ろしイロヘ(観世ならイロヱですが金剛ではイロヘと表記するようです。ただし明治時代の古い金剛の謡本にはこの部分にカケリと書かれていますが・・・)になりました。

イロヘでは網を見込みつつ立ち上がった後、後ろを向いて網を離れ橋掛りへと進みます。二ノ松を過ぎて正面方に向き直り、黒頭に手をかけて舞台の方向を見やる型。そこからゆっくりと橋掛りを戻り、一ノ松で手を広げてそのまま舞台へ戻って大小前から、置いた網の方へ寄って綱を取り「伊勢の海、清き渚のたまたまも」と謡い出しました。

シテと地謡の掛け合いの謡で、因果の末の地獄の様が謡われ、シテは網の綱を引く様を見せて、密かに漁をした様子を再現し、さらに謡に合わせ舞う形になります。

綱引く様の後は、仕方話のような具体的な型ではなく、むしろ抽象的な型の連続ですが、それがむしろシテ阿漕の苦しみをよく表すように感じられます。

結局のところは救われないままの終曲で、重い感じが残ります。
中世の人たちはこの能を観てどう感じたのか、まあ、この曲が描く漁師が能を観ることもなかったのかも知れませんし、少なくとも作能した方は卑賤の身を自分たちとは別世界のものとして見ていたのでしょうね。

山田さん、熱演でした。
(89分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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