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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

砧のつづき

シテ、ツレは橋掛りで入れ違いになり、シテが先に立って舞台に入って、シテは地謡前、ツレは太鼓前に着座しての問答ですが、何故に三年も音信がなかったのかと、シテはツレをとがめます。謡も詰問するような調子。

これに対してツレは「心より外に三年まで。都にこそは候ひしか」と宮仕えの忙しさに便りをしなかった由を述べますが、シテは「にぎやかな都の住まいを心の外というか」と、遠く鄙の地に待つ身のさびしさを嘆きます。聴いているだけで涙が出そうな謡。

この夕霧、実は何某との仲を疑わせるという解釈もあり、そう考えるとこの何某の妻の恨み辛みも一層奥深いものが感じられるのですが、定説というわけではありませんので一つの見方というところ。

さてシテは何やら遠く物音がするのに気付き、ツレに問いかけます。ツレは里人の打つ砧の音であると答えます。
砧は布を打ち柔らかくして衣類を着やすくするために行われるもので、かつては女性の手によって広く行われていました。民衆の着る麻や、楮、藤、葛など樹皮からとった繊維で織ったものはもちろん、木綿でも粗い糸を用いる手紡ぎ、手織りの場合は、洗濯した際の仕上げに砧打ちをしていたようです。

この砧を打つ音にシテは昔からの言い伝えを思い出します。唐土の蘇武という人は胡国に捨て置かれて年月が経ったが、その妻子が蘇武の身を思って高楼に上り砧を打ったところその音が万里の彼方にいる蘇武に届いたという話です。
この話にちなみ、シテは砧を打って夫に思いを届けようとし、ツレも下賤の業とはいいながら妻の心が安らぐならと、二人砧を打つことにします。

このつづきはまた明日に
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