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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

小督さらにつづき

片折戸と柴垣の準備が整うと、ツレの小督とトモ侍女、アイが登場します。
銕仙会清水さんの時は片折戸を閉めて置いてあるため、ツレが戸を開けてワキ座へと進みましたが、今回は戸が開けてあるので、ツレは常座で一呼吸おいて戸を抜けてワキ座へ。トモはそのまま戸を抜けて地謡前に着座します。

続いて出たアイがいったん狂言座に着座した後、立ち上がって一ノ松で名ノリ、嵯峨野にやって来て侘び住まいをしている高貴な方と思われる女性が、琴の上手と聞いたので、今宵八月十五日、琴を所望しようと語って、片折戸の近くに進み、下居して内へ呼び掛けます。
この後、アイが立ち上がり戸を閉めて狂言座に下がると、ツレがサシを謡い、地謡が憂き心で琴弾く様を謡います。

すると一声で後シテの出。
前場では直垂で登場していましたが、後場は薄い萌葱のような長絹を肩脱ぎにし、白大口に風折烏帽子の姿で嵯峨野を馬で探す姿。
観世流だけは前後とも単狩衣ですので、後場は肩上げしただけとなりますが、他流は昨日書いた通り前後で装束を替えるのが基本。後場を単狩衣で出る場合と、今回のように長絹で出る場合とありますが、長絹の方が貴族としての仲国を強調する感じでしょうか。

長絹で出るにしても、確か宝生流では長絹の袖を内側に織り込んで肩上げの形にして出たと思いますが、この形だと馬上の凛々しさが強調される感じですね。一方今回のように肩脱ぎの形だと、凛々しさよりもむしろ貴族としての優美さが強調される感じで、金記さんの演技、謡も実にしっとりとした感じ。小督という能の印象が変わる感じがします。

鞭を持っているのが馬上にあることを示す形。いわゆる駒之段になりますが、「もしやと思いここ彼処に」で手を打ち合わせる型もゆっくりと、「駒を駆け寄せ控え控え聞けども」も耳を澄まして静かに聞く感じで、優美な雰囲気が伝わってきます。
「月にやあくがれ」と舞台に入り「琴こそ聞こえ来にけれ」と再び耳を澄ます感じ。「尋ぬる人の琴の音か」と柴垣により、下がって「何ぞと聞きたれば」と琴の音を聞きます。「夫を想いて恋ふる名の想夫恋なるぞ嬉しき」と小督の宿を探し当てますが、しっとりとした情感あふれる舞でした。
このつづきはまた明日に
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