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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

隅田川のつづき

一声で、練絹に濃い紺地の摺箔を腰巻に着け、浅葱の水衣に笠を被り、笹を右肩にしたシテが登場してきます。
一ノ松で「実にや人の親の心は闇にあらねども、子を思う道に迷うとは」と謡いますが、常の拍不合の謡と比べると余り引かず、むしろ思いを内に籠めた感じです。さらに「聞くやいかに上の空なる風だにも」と謡って向き直り舞台へと進みます。

地謡が「松に音する習いあり」と謡ってカケリ。
正中から目付に出、左へ廻って地ノ頭から大小前、小廻りして拍子を踏み、正先から右へ回って目付へ。ここから大小前へ小廻りするという、舞台を一周半する程度の短い動きですが、子を探す母の思いを内に秘めた所作。

カケリの後、シテは都北白河の女と名乗り、我がひとり子を人商人に拐かされ、その行方を尋ねて東国まで下ってきたと謡います。
「思子の、跡を重ねて、迷うなり」という謡に、一足出、さらにもう一足出た形が印象的でした。

地謡がシテの謡を受けて、下歌、上歌と続け「隅田川にも着きにけり」と謡うところで、大小前で塚に向かい、そこから常座へと行きつつ「なうなう我をも舟に乗せて賜り候へ」と呼び掛け、常座でワキの方を向きます。

シテ・ワキの問答になりますが、詞章と所作が微妙に絡み合って趣深いところ。
「なう舟人、あれに白き鳥の見えたるは、都にては見馴れぬ鳥なり」言うところも、一度ワキを見「白き鳥」で目付に向いて、遠く鳥を見る心。一呼吸置いてワキを見る形になっています。

地謡の「我もまた、いざ言問はん都鳥」から「乗せさせ給へ渡し守、さりとては乗せてたび給へ」とワキに迫るところは前半の見せ場でもありますが、所作も良し、またここは友枝昭世さん地頭の地謡が聞かせるところ。「乗せさせ給へ」と笹で一つ打ち「乗せてたび給へ」と合掌する形が胸に迫ります。
さてこのつづきはまた明日に
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