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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

老松 今井泰行(宝生会別会)

宝生流 宝生能楽堂 2008.5.25
 シテ 今井泰行、ツレ 野月聡
  ワキ 宝生欣哉、アイ 石田幸雄
   大鼓 柿原光博、小鼓 幸正昭
   太鼓 小寺佐七、笛 一噌仙幸

脇能は、高砂や弓八幡のように後シテが神舞を颯爽と舞う曲や、嵐山や賀茂などのように舞働きを見せるもの、楽を舞うものなど様々な種類がありますが、老体の神が現れ真ノ序ノ舞を舞うというのは、この老松と白楽天それに、喜多流にはありませんが放生川くらいではないでしょうか。

さてその数少ない一曲ですが、まず脇能らしく真ノ次第でワキ宝生欣哉さんの梅津の何某と、ワキツレ梅村昌功さん、則久英志さんの従者が登場します。真ノ次第で登場したワキ、ワキツレの次第が三遍返しになるのは以前書いた通りです。

次第の謡の後は常の通りワキの詞となります。自分は都の西、梅津の何某であるが、北野天満宮を信心しており、ある夜霊夢に見たところでは、筑紫安楽寺に参詣せよとのことだったので、九州に下向するところと述べます。現在も京都市右京区には梅津という地名がありますが、このあたりの人という設定なのでしょうか。わざわざ梅津の何某と名を出したのは、後に出てくる飛梅と関係づけてのことかも知れません。

続いて三人の道行になりますが、この道行の謡は手元の謡本とは全然違うもの。
上掛りでは「何事も心にかなふこの時の、ためしもありや日の本の」と謡い「安楽寺にも着きにけり」と結びますが、下掛りでは「上野に通ふ春風の」と謡い出し、最後は「筑紫の地にも着きにけり」となります。ワキ方が下掛り宝生流のため、ここは下掛り系の謡ですね。
謡の後、上掛りでは直ぐに真ノ一声でシテ・ツレの出となりますが、この日はワキの「急ぎ候程に、筑紫安楽寺に着きて候。心静かに古木の謂われを尋にょうずるにて候」(たしかそんな風に聞こえました)と着きゼリフがあって、それからワキ座に着座しました。
「筑紫の地にも着きにけり」ですから、「安楽寺」とことわっておく趣旨でしょうね。ちなみにこの詞は喜多流の本には見えません。

さてこのつづきはまた明日に
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