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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鱸庖丁 野村万作(宝生会別会)

和泉流 宝生能楽堂 2008.5.25
 シテ 野村万作
  アド 深田博治

鱸庖丁は一昨年に石田幸雄さんのシテで観たのが初見ですが、その時はなんとなく腑に落ちない狂言という印象でした。今回は万作さんのシテですが、石田さんの時と基本は同じですし、二度目でもあり、なんとなく飲み込めてきたというところです。

まずは庖丁が、ホウジョウ(謀生種の謀生つまり嘘ですね)を掛けているというのが鍵で、これが分からないと最後のオチが分からない。また一方で、川獺、深田さんはカワウソと発音したように聞きましたが、川獺は多くウソないしオソと発音されたようで、これがまた嘘を掛けているというのが良くできたところです。

もっともこの曲、狂言としては割合長時間ですが、これはシテの鱸を料理する仕方話の部分が大方を占めているわけでして、これが見せ所ということなのでしょうね。

深田さんはもともと真面目な雰囲気の演者ですので、伯父をごまかしてやろうという、ちょっと悪賢い甥というには、真面目すぎる感もあるのですが、狂言があまり写実的すぎるのもどうかというところで、むしろ味わい深い感じもします。

鱸を料理していくところは、万作さんの芸の見せ所ですが、まずは鱸を何して食べようかという問いに、甥が打ち身にしてほしいというと、打ち身の謂われを語ります。
石田さんの時の鑑賞記にも書きましたが、打ち身というのは鯛や鯉の古い料理法で、室町時代後期には刺身と混同されて絶えてしまったようです。

寛和元年、花山院の御代、四季折々の遊びのうちに狩に出られ、遠江国橋本の宿の長のもとにお着きになった。この際に、鯉をお出ししたところが、庖丁人の四官の大夫忠政が、これを見事に料理し、打ち身の起こりとなったという話が語られます。

史実かどうかは別としても、なかなか面白い話ではあります。
この曲、もう少し書いてみようと思います。
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