FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

通小町のつづき

女にワキは「今日は木の実の数々御物語り候へ」と問いかけ、ツレと地謡掛け合いでの木の実尽くしの謡になります。
落椎、柿、笹栗、梅、桃、梨から擽、柑子など様々に謡い込まれています。木の実というと栗やドングリをはじめ、どちらかというと固い実の方を思い浮かべてしまいますが、昔はもっと普遍的に木になる実全部という意味で使われていたようですね。

木の実尽くしの謡が終わると、ワキがツレに名を問い、ツレは「恥かしや己が名を」と謡い、続く地謡で立ち上がると常座へ進み、一度振り返って「跡弔ひ給へ」とワキに向かい二足ほどツメて心を入れた感じを見せた後に右に小さく回って、「かき消すやうに失せにけり」と常座で一度正面を向き中入りしました。
ツレが若い女として出る通常の演出では、ここは中入りではなく、ツレは後見座にクツログ形になります。

中入り前のツレは「己が名を」と「小野」をかけて謡い、続く地謡でツレが小町であることを暗示します。
これを受けてワキはツレの残した詞から「秋風の吹くにつけてもあなめあなめ 小野とは言はじ薄生ひけり」という小町の歌を思い出し、さては最前の女は小野小町の幽霊に違いないと思い至り、市原野辺に小町を弔うことにします。

「この草庵を立ち出でて」と謡うと、ワキは立ち上がり、市原野辺にやって来た心地で少し前へ出ると「座具を展べ香を焼(タ)き」と数珠を手に膝をついて合掌し、「出離生死頓證菩提」と謡って正面を外し、ワキ正方へ向きを変えてシテの出を待つ形になります。

笛がヒシギを吹いて一声の囃子。シテの出です。
繰り返しになりますが、通常の演出ではツレが後見座にクツロイだ形になっているので、シテだけが登場してきます。しかしこの日はツレが中入りしているため、幕が開くとまず若やいだ女の姿の後ツレが姿を現しました。中入りしてから十分経ったでしょうか。この時間で装束を変えるのは大変だろうと思います。
さてこのつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
スポンサーサイト



 | HOME | 

カレンダー

« | 2008-09 | »
S M T W T F S
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。