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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

泰山府君のつづき

シテの天女は天上に帰るにあたって桜の一枝を折っていこうとしているのですが、「げにげに見れば木の本に」と花台を見込めば、花には人を寄せぬように花垣が作られているのに気付きます。

シテは地謡の「何と手折らん花心」で花に寄りますが、月の光が照り添いて明るさに枝を折ることもできぬ様子で、「月の夜桜の影」と右ウケしてやや面を照らし月を見る心。
「あさまなり恥かしや」と正中へ下がって一度ワキ正へ出て常座へと戻り、鏡板の方を見たまま、続くロンギの地謡「実に有難や此春の」を聞きます。

「花の祭りの時過ぎば」で正面へ向き直り、シテ、地謡によって謡が進みますが、謡は掛け合いとなっているものの、後の展開からするとワキはシテの姿を見咎めているわけではなく、それぞれが別の心で桜を眺める様子になっています。
この辺りは不思議なところで、ワキがシテの姿に気付いていないならば、掛け合いの謡にしなくても良さそうな感じがするのですが、ここがまた能の能らしいところかも知れません。

シテは続く謡の「ここも千本の花の影」で出、目付に進んで「花の色」と桜台を見やります。一度、常座に戻って左袖をさし出しつつ桜台に寄り「月をもともに眺めばやの望は残れり」と桜を抱くようにしますが、そのまま大小前に下がって下居。

シテは、あまりに月が清かで花を手折ることもできず、さらに夜を過ごしていると謡い、いささかの時の経過を感じさせます。しかし地謡の「うれしや月も入りたりや」と目付に月が隠れたのを見上げて扇を胸元に入れ、立って桜に寄り一枝を折り取るようにして下がり、大小前で取った桜の枝を左袖に抱え込むようにして中入りとなりました。

いささか所作を詳しく書きましたが、月に照らされた桜を眺める心持ちから、陰ったのを幸いと一枝折り取って天上に帰る天女の姿が丁寧に演じられて、見応えのある前場でした。さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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