FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

蟻通のつづき

「あら笑止や。俄に日暮れ雨降りて」と急に雨が降り出した様子ですが、さらに「乗りたる駒さへ臥して」と下を見回す型で、倒れた馬を見回すようにして正中へ座してしまいます。いかにも馬が倒れて投げ出され、さらに「前後をわきまへず候はいかに」と困り果てた風です。

アシライの囃子となり、ワキは立ち上がってワキ座へと下がります。先の道行の終わり「里近げなる鐘の声」で既に幕が上がっていますが、このアシライでシテ老宮守が登場してきます。深い緑系の色大口に薄い緑系の厚板、ヨリの狩衣を肩上げにし、左手に傘、右手に松明を持っています。

右手にもった松明を一度振って差し出した形にしたまま、橋掛りを進んで一ノ松手前で立ち止まり、「瀟湘の夜の雨しきりに降って」とサシの謡になります。
「社頭を見れば灯もなく」と舞台、正中の方向を見やり、雨の中の社殿を見る風です。一度戻した後に、「宮守一人も見えぬ」で舞台の方に向きを変えて歩み出し、橋掛りを進んで「あら無沙汰の宮守どもや」の言葉いっぱいまで舞台へ入り、常座に止まりました。

ワキはこれに合わせるように立ち上がり、シテに呼び掛け問答になります。
この問答でシテの宮守は、ここが蟻通の明神であり下馬しなければならぬところ、ワキが気付かずに通り過ぎようとしたので物咎めを受けたのだと諭します。
ワキ「さて御社は」に、シテは「この森のうち」と社殿を照らすように松明を上げて示し、語りつつ常座に向かい「糸もて繋ぐ駒」で傘を後見に渡して扇に持ち替えます。

「神前を恐れざるこそはかなけれ」とシテは大小前に進んで下居し、ワキも着座して合掌します。シテはワキに名を問い、ワキが紀貫之と答えると、貫之ならば歌を詠んで神に捧げるようにと言います。ワキは驚きつつも「雨雲の立ち重なれる夜半なれば。ありとほしとも思うべきかは」と即興の歌を詠みます。

「ありとほしと」は、雨雲で見えぬけれども星は在るということと、蟻通をかけている訳ですが、この歌を繰り返すと、シテは「面白し、面白し」と二人向き合う形になり、ワキとの掛け合いで謡います。
このつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
スポンサーサイト



 | HOME | 

カレンダー

« | 2009-04 | »
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。