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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

敦盛さらにつづき

ワキは草刈り男達に、先ほどの笛は貴方たちかと問いかけます。これにシテが自分たちだと答え、ワキが草刈りの身にも似合わない優美なことだと返します。これにシテ、ツレは掛け合いで、樵歌牧笛といわれるように草刈り人が笛を吹くのは何ら不審には当たらないと謡います。ワキも、たしかに我ながら愚かなことを言ってしまったと謡い、今度はシテ、ワキが掛け合いで、樵歌牧笛の意味を謡って展開していきます。

ところでこの樵歌牧笛ですが、和漢朗詠集に見える紀斉名の「山路日落 満耳者樵歌牧笛之声 澗戸鳥帰 遮眼者竹煙松霧之色」から引いたものと見えますが、牧笛って牧童の笛の意味ではないのかと思ってしまいます。牛の背に乗った少年が笛を吹くっていう水墨画かなんかを見たような記憶もあります。もっとも中国ならいざしらず、日本では牧畜の伝統はありませんから、牧童の笛というのも無理な話。もしかすると牧笛という言葉だけが漢籍から入り、牧場の連想から草を刈る者の笛と展開したのかも知れません。

そしてこのあとを受けた地の謡で、草刈りの吹く笛ならば名は青葉の笛と・・・と謡われます。このあたりが謡曲の詞章の面白いところでもありますね。青葉の笛といえば敦盛の持つ笛の名と決まっていますから、ここで敦盛を暗示する形。敦盛の持つ笛は笛の名手でもあった祖父忠盛のものだったと言われ、小枝ないし青葉の笛と呼ばれているものでした。

そしてこの地謡の内にツレの三人は切戸口から退場してしまい、シテは常座へ移り一度ワキに向き合った後、後見に振り返って手に持つ挟草を渡し、地謡いっぱいに正面にむき直します。
ワキは草刈り男達が皆帰ってしまったのに、一人残ったのは何故かと問いかけます。これにシテは正中に進み出て下居しつつ、十念を授けて欲しいと願い出る訳です。十念を授けるのは容易いが、そもそもいったい誰なのだ、というワキの問いかけに、シテは敦盛の霊であることを明かして姿を消してしまいます。
このつづきはまた明日に
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