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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

海士さらにさらにつづき

この珠を惜しんで、淡海公は身をやつして志度の浦に赴き、海女少女と契りをこめて一人の子をもうけます。この子が今の房前の大臣だとシテが語ります。

すると子方が自ら房前の大臣であると告げ、かつて家臣から自分の母が讃州志度の浦の人であると聞かされたが、余り詳しく言うと差し障りがあると、家臣が言葉を濁してしまったことを謡います。地の上歌からクセへと謡がつづき、房前の大臣が亡き母を思って海士人を懐かしむ様が謡われます。
房前は子方が演じていますが、地元足利のお子さんだそうです。なかなか堂々とした舞台でした。能一般の約束事として、子方が演じているから子供の役という訳ではなく、年齢は不詳です。大臣と言っているので相応の年齢を想定しているのだろうと思われますが、房前は生前、大臣の位には上らず、天然痘にかかり不比等の四人の子供のうちで最初に亡くなったそうで、残念ながら想定された年齢の手がかりはありません。

さてクセの謡が終わると、ワキがシテに向かって珠を潜き上げた様子を語って欲しいと求めます。これに答えて、シテはまず海士と淡海公とのやり取りから語り始めます。
海士は、もし珠を取ってこられたならば、自分の産んだ子を世継ぎにして欲しいと求め、これに不比等が応じると、子供のためなら命も惜しくないと腰に千尋の縄を着けて、もし球を取ったらこの縄を動かすので引き上げて欲しいと言い置いて海底に飛び入った、と子細を語り出します。

この「その時人々力を添え引き上げ給えと約束し」の詞から「一つの利剱を抜き持って」の謡となり、地謡が受けての部分が玉之段です。仕舞でもよく取り上げられるところで人気ある一番。私もずっと昔、習ったことがあります。
海底に飛び入った海士が龍宮に分け入り、宝珠を探した末に見つけて取って逃げるが、龍宮の守護神が追っかけてきます。海士は剱を持ち替えて自らの乳の下を掻き切り、珠を押し込め剱を捨てて伏してしまいます。龍宮では死人を忌むので誰も近寄ってきません。海士は約束の縄を動かし、人々が喜んで引き上げると、珠はどことも見えず海士が浮かび上がってきた。と謡われ、詞章に合わせたキビキビした所作で舞われるところです。
型の子細は記載しませんが、見る度に良くできた一番と思います。前場だけで一曲となっていたという説も納得いく感じがします。
このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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