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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

大般若のつづき

登場したワキは常座に進んで次第「教えの道も秋津洲(アキツス)や 教えの道も秋津洲や 数ある法を広めん」を謡い、地取りの後、三蔵法師であると名乗ります。中国の話なのに「秋津洲」はどうかなあと思うところですが、なにか作者に意図があったのかも知れません。ともかくも、国家安泰、万民救済のため大般若経を求めて天竺への旅に出るところ。道行を謡って西域を目指します。

「野に暮らし山に泊まりて行く道の 山に泊まりて行く道の」と謡い、白波立つ川面の渡りにやって来ます。
「急ぎ候ほどに 流沙とかや申すげに候」と流沙河に着いたことが述べられて、人を待ちこの辺りのことを尋ねようと言って、ワキ座に控えます。

片日吉というのだそうですが、鋭い笛の音から始まる出の囃子で前シテの出になります。幕が上がるとススッと出て幕前に暫し佇みます。何やら怪しげな雰囲気が強調されている感じです。
しばし時間があってから、今度はゆっくりと橋掛りを進み、常座まで出てからサシ込み開き、謡い出しとなります。

シテは、山が屏風のようにそびえ、明け方の月の光が水際に残って、春めきわたる風情を謡います。これを聞いてワキの問いかけ、この川の渡りのほどを教えてほしいとシテに向かって尋ねます。

さてこの展開にいささか妙なところがありまして、実は「流沙河」はタクラマカン砂漠の中の地名、砂漠の砂を水に例えた地名らしく水の流れる河ではないのだそうです。しかしながら、いかにも川の流れているような名のために誤解が生じたようで、いつしか西域の川の流れのことになってしまったらしいのですね。
この件をめぐっては、この大般若という曲の成立に関わる話でもあり、能の展開から離れますが、この辺りの話をこの後、少しばかり書いてみようと思います。
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