能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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谷行またまたのつづき

ワキが再び面を上げクセ。短い謡ですが、行者の道に進みながらも、親子恩愛の思いに嘆かざるを得ない思いが謡われ、「親子恩愛の 歎きに等しかりけり」とワキは両手を上げてモロシオリの形になります。

小先達が「かくて時刻も移るとて」と謡い、地謡が「皆面々に思い切り・・・」と続けます。一同は腰を浮かせて立ち上がり、「嶮しき谷に陥れ 上に覆うや石瓦 雨土塊を動かせる」の詞章の通り、野口能弘さんと則久英志さんの二人がワキに寄って子方を抱え上げ、台に上がると、台の手前見所側に子方を寝かせ上から小袖を掛けて谷行を行った形となります。小先達も台に上り「皆面々に泣き居たり」の謡にあわせ、ワキがモロシオリ、一同片シオリして嘆く態となります。

小先達が「や」と声を出し「早夜が明けて候」と夜明けに気付いた風で立ちあがり、ワキに声をかけます。小先達の立つ動きに合わせ、一同はシオル手を下ろしますが、ワキはモロシオリの形のままにいて、小先達に声をかけられてはじめて手を下ろします。

小先達は夜も明けたので急ぎ出立をと促しますが、ワキは自分は後から行くので皆で先に行ってくれるように言います。小先達がさらに促すと、ワキは都に戻って松若の母になんと言えばいいのだ、自分も谷行にしてほしいと答えます。小先達はその歎き尤もと言って立ち上がり、常座から一同に声をかけます。

再び相談役山伏の舘田さんが立ち上がって向き合い問答に。
小先達は阿闍梨に出立を促したが、歎きが深く自身も谷行にしてくれと申されている、どうしたものかと問いかけます。これを受けて相談役は、年月、行を行い徳を積んできたのはこういう時のためであろうから、ここは一祈り祈って、松若殿を蘇生させようと言い出します。
これを受けて小先達は再び常座から正中に出て下居、ワキに一祈りして松若を蘇生させようと皆が言っている旨を告げます。
これを聞いてワキは喜び、笛座方を向いて一同に、松若を蘇生させるため力を合わせて欲しいと言うと、一同は一度後ろを向いて数珠を取り出しノットで立ち上がるとワキが正先へ。ワキを先頭に雁行の形になります。
さてこのつづきはもう一日明日に
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谷行もう一日のつづき

小先達以下が「さても師匠のその歎き」と謡い出しワキとの掛け合い。不動明王の威力に祈り、役優婆塞に願いを受け入れて欲しいと謡います。小先達以下が「哀愍納受」と謡うと、一同合掌しワキが「垂れ給い」とイロ。地謡が受けて「使者の鬼神伎楽伎女」と謡い出し、一同は一斉に数珠を揉みます。
地謡の終わりにヒシギが吹かれると一同は数珠を下ろして座し、出端の囃子。

両シテ扱いの役行者が出端の囃子で姿を現します。白の半切に白の長絹、篠懸をかけて白頭に大兜巾。手に持った錫杖を突きつつ橋掛りを進んで一ノ松で立ち止まり「苦修錬行の山路けはしくして」と謡い出し、ワキは下居のまま一ノ松の行者の方に向きます。

観世流の本では役行者が登場しませんので、この部分の詞章を欠いていますが、他流の本で補綴されたのでしょうか。役行者は「寂莫無人声 読誦此経典 我爾時為現清浄光明身」と法華経法師品偈の一節を朗々と唱えると、舞台一同に向けて「如何に面々確かに聞け」と言い、彼の小童は親孝行の仁体なので命を助けるから心を安んぜよと言い放ちます。ワキがこれを受けて、有難いことだがさて彼方は如何なる行者かと問いかけます。

行者とワキの掛け合い、ワキ「びん髭は雪」行者は「しもとゆう」と謡いつつ左の手で白頭に触れ地謡に。葛城山の役優婆塞と明かされ、行者が錫杖を横にして開ク形から杖を立て、舞台に進んで「哀愍あれば親心」で常座辺り、一畳台の横からワキに向かう形になり、地謡の「使者の鬼神の伎楽伎女 とくとく参拝申すべし」に一度正先へ出て幕方を見込み、常座に戻って杖を捨てると笛座前にて床几に腰を下ろします。

早笛の囃子で後シテ伎楽鬼神が顰の面、赤頭に法被、半切を着け、手に斧を持って登場し正中に出ます。地謡に合わせて拍子二つ、さらに六拍子を踏んで一回りすると「行者の御前に跪いて」と正中から行者に向かって下居、さらに立って台に上ると「上に覆える土木盤石 押し倒し取り払って」と手に持った斧を振り、シテ柱側の立木を本当になぎ倒します。さらに前側の立木を取り払うと、土塊を掘り返す態で子方の小袖を取りのけ、山伏達が寄って子方を立たせ行者の前に連れて行きます。行者は立ち上がり、鬼神は常座に下居。「慈悲の御手に髪を撫で」と行者が子方を撫でて寿ぐようにユウケン。ワキに子方を引き取らせると、鬼神は舞台を廻って台上に。さらに台を下り橋掛りへ、行者も正中へ出て橋掛りへと向かい、鬼神が幕前に下居、行者は二ノ松に立ち留となりました。

ある意味、能らしくない、それでいて大変に能らしい活劇で堪能しましたが、滅多に上演されないのが残念な曲・・・であります。
(87分:当日の上演時間を記しておきます)
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