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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

大蔵流五家狂言会のつづき

五家狂言会の話を書いて、さて翌日も・・・と思ったところで体調を崩しまして、すぐ回復はしたものの、どうにも書き物をする気になれなくなってしまいました。というわけで、二月ぶりで続きです。

大藏流五家狂言会、当日の番組は以下の通りです

雁礫   大名 大藏教義、道通りの者 山本則孝、仲裁人 茂山千五郎
惣八   料理人 山本泰太郎、有徳人 善竹隆司、出家 茂山逸平
棒縛   次郎冠者 善竹隆平、主人 山本則秀、太郎冠者 大藏基誠
茶壺   すっぱ 茂山良暢、中国方の者 茂山童司、目代 善竹大二郎
千切木  太郎 茂山茂、亭主 山本則重、太郎冠者 大藏彌太郎
     立頭 善竹忠亮、
     立衆 茂山千五郎 山本則孝 山本則秀 善竹隆司 善竹大二郎
     女 善竹富太郎

どの曲もそれぞれに面白く、また共演という意味でも、雁礫の大名 大藏教義さんが、大藏家らしい甲高い発声で飄々とした雰囲気なのに対し、道通りの者 山本則孝さんが、山本家らしいかっしりした雰囲気で対照的な面白さを感じるなど、それぞれ、特徴があって楽しめました。

このところ気になっている狂言師、茂山良暢さんも茶壺のすっぱで良い味をだしていました。この夏、五世忠三郎を襲名されていますが、4月の番組にしたがって良暢さんと記載しています。
9月に、NHK「古典芸能への招待」で「上方の大蔵流三家による“狂言づくし”」と題して、狂言三番が放映されました。実は録画したまま最近まで放っておいたのですが、NHKとしては意欲的な番組と思いました。番組は次の通りです。

佐渡狐  佐渡の百姓 茂山忠三郎、越後の百姓 茂山茂、奏者 山口耕道
首引   親鬼 善竹忠一郎、鎮西ゆかりの者 善竹隆司、姫鬼 善竹隆平
     立衆頭 善竹忠亮
     立衆 上吉川徹 小西玲央 中川力哉 上西良介
狸腹鼓  尼・狸 茂山千五郎、喜惣太 茂山千作

解説の大阪樟蔭女子大学教授、森西真弓さんが忠三郎さんの襲名に触れ、活躍を期待したい旨を話されましたが同感です。この番組もたいへん面白かったのですが、生で観たわけではありませんので、テレビ番組のご紹介のみ。

さて五家狂言会に戻って、それぞれが、それぞれの味で良かったのですが、私としては善竹富太郎さんの千切木の女が一番です。富太郎さん、何をやっても面白いのですが、今回の女は出色でした。
あまり狂言の会には出かけていませんが、また機会があればと思っています。
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八島 川口晃平(三人の会)

観世流 観世能楽堂 2017.06.10
 シテ 川口晃平 ツレ 谷本健吾
  ワキ 宝生欣哉
  ワキツレ 舘田善博 梅村昌功
  アイ 山本則秀
   大鼓 亀井忠雄、小鼓 大倉源次郎
   笛 竹市学

4月にGINZA SIXの地下3階に移転開場した観世能楽堂。開場記念公演はスケジュールも合わないまま、あっというまにチケット完売。新能楽堂に行ってみたいと思いつつ日々を過ごしていましたが、三人の会の第二回公演が観世能楽堂で開催という情報に行き当たり、早速、チケットを入手しました。
この三人の会、宗家、銕之丞家、梅若六郎家、とそれぞれ異なった家で内弟子修行をした三人、坂口貴信さん、谷本健吾さん、川口晃平さんが立ち上げた会で、皆さんほぼ同年代。これまでのブログでも、ツレとして登場された際などの感想を書いていますが、前々から気になっていた若手能楽師です。
その三人が登場されるというので楽しみに出かけました。

番組は、谷本さんの次男康介さんの仕舞を皮切りに、この川口さんの八島、続いて狂言「貰聟」、谷本さんの一調「班女」、仕舞が四番あって、坂口さんの海士という構成。故あってなのか、八島、海士と、いずれも讃岐にまつわる二曲。ブログでは何度も取り上げていますので、曲の解説や所作の流れなど、あらためて記載しませんが、感じたところなど少しだけ書いておこうと思います。

シテの川口さん、以前に拝見した際も舞のキレが良い楽しみな能楽師と思ったのですが、この日の八島も良い舞台でした。前シテと後ジテの対比も、後ジテの所作も、またこの方の能を観てみたいと思わせるものでした。
が、あわせて感じ入ったのが地謡。川口さんの師匠にあたる玄祥さんの地頭でしたが、しみじみ上手いなぁと。ついついシテやワキの演技ばかりに気持が行ってしまいますが、囃子、そして地謡があって、一曲の能が構成されているのだと、あらためて感じたところです。
なお以前にも記しましたが、観世流は現在「屋島」と表記します。ただし梅若家では他流同様「八島」と表記するようで、今回は番組に沿って「八島」と記載しました。
(88分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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海士 坂口貴信(三人の会)

観世流 観世能楽堂 2017.06.10
 シテ 坂口貴信 子方 谷本悠太朗
  ワキ 殿田謙吉
  ワキツレ 御厨誠吾 野口琢弘
  アイ 山本則重
   大鼓 亀井広忠、小鼓 観世新九郎
   太鼓 観世元伯、笛 松田弘之

八島の後は、山本家による狂言「貰聟」、谷本さんと大鼓 亀井忠雄さんによる一調「班女」、仕舞四番に続き、この海士。
海士も度々ブログで取り上げているので、あらためて曲の解説や所作の流れなどを記載はしませんが、こちらも感じたことなど少しばかり。

坂口さんの舞には花がある、と以前ツレで舞う姿を観て感じたのですが、今回海士を観てあらためてその思いを強くしました。能の舞は、早舞なら早舞で、どの曲でも基本的な型に変わりはない訳ですが、それが曲毎に違って見えるのは演者の技量なのだろうと思います。

またこの曲、子方の詞章がやけに難しく、うまく謡えるだろうかなどとついつい心配してしまうのですが、それがまた能作者の狙いでもあったのではないか、などと想像しています。

そのほか、狂言、貰聟は則重さんの聟に、則秀さんの女と東次郎さんの舅。以前、先代の茂山千作さんが舅を務め、千五郎…現千作さんの夫に、茂さんの妻で観た際の鑑賞記を記しましたが、同じ曲でも、やはり山本家だとかっしりとした雰囲気になるんだなぁと、改めて思ったところです。

仕舞四番は、観世喜正さんの難波、観世銕之丞さんの放下僧小歌、梅若玄祥さんの定家、山階彌右衛門さんの善界と、会を主催する三人の師匠家からの応援のような番組。同じ観世流でも、あまりご一緒に舞台に立たれることはなさそうに思います。
機会あれば来年の会も観に行きたいものと思いました。来年は6月30日、坂口さんの「野宮」に谷本さんの「邯鄲」、そして川口さんが舞囃子で「藤戸」を舞うとのことです。

…ちなみに、パンフレットのプロフィールを見ていたら、川口さんは漫画家「かわぐちかいじ」さんのご子息なんだそうです。沈黙の艦隊、すごい漫画でした…
(77分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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