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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

融 笏ノ舞 山井綱雄(座・SQUARE第21回公演)

金春流 国立能楽堂 2018.07.15
 シテ 山井綱雄
  ワキ 森常好
  アイ 能村晶人
   大鼓 安福光雄、小鼓 鵜澤洋太郎
   太鼓 古屋潔、笛 杉信太朗

山井さんの融は以前にも拝見したことがありますが、今回は笏ノ舞の小書付で、だいぶん雰囲気が違いました。
ちなみに、このブログで融の鑑賞記は三度(観世流浅見真州さん金春流山中一馬さん金剛流金剛永謹さん)書いていますが、山井さんの融を観たのはブログを書き出す以前でしたので、記録がありません。

まずはワキの出。名宣笛で登場し常座で名乗るのが通常の形ですが、今回は笛がないまま登場して二ノ松に立ち名乗り。続いて「思ひ立つ」と下歌を謡い、上歌を一句謡って歩み出し、上歌いっぱいに常座に出て「これは早 都に着きて候」と詞。心静かに一見せばやと思ひ候、と言ってワキ座に着座しました。

一声で前シテの出、無地熨斗目着流しに柿色のような水衣を肩上げ、腰蓑を着け右肩に田子を担っての出です。常座に出て一セイ「月も早 出汐になりて塩釜の 浦さびまさる 夕べかな」を謡い、続いて「あまりに苦しう候ほどに しばらく此の所にて 休まばや」と言って田子を下ろして立ちます。

サシ、下歌、上歌が省略されて、ワキが直ぐに「如何にこれなる尉殿」と声をかけて問答になります。型通りの問答で月の出となりますが、ここでは特に月を見上げるような型はなく、地謡の「実にや古も 月には千賀の塩釜の」で正を向いて開キ、舞台を廻り大小前でシカケ開キ、「千賀の浦わを詠めん」とワキと向き合って下居します。

ワキが、千賀の塩釜を都の内にうつした謂われを語るように求め、シテの語り。
シテは正面に向き直って語り出します。嵯峨天皇の御宇、融の大臣が陸奥の千賀の塩釜をこの地にうつして塩を焼かせたが、その後は相続する人もなく荒れ果ててしまい、紀貫之の歌にも「君まさで 煙絶えにし 塩釜の うらさびしくも 見え渡るかな」と歌われている。と、古今集八五二番の歌を引いて語ります。

ところで「千賀の塩釜をうつし」ですが、観世の大成版は「移し」で、長年何の疑問も持たずにいたのですが、流儀によって「写し」ともあるようで、考えてみれば陸奥から塩釜を移設して来たわけではないので、「写し」の方がおさまりが良いようにも思います。
ともかくもこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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