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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

枕慈童さらにつづき

どうして今も童子の姿なのかというワキの問いに、シテは誤って帝の御枕を越えてしまい流された際に、枕に妙文を記して賜ったので、その妙文を水で菊の葉に書き写し、流れに浮かべたところ、流れが薬の水となって寿命が延び神通を得たと説明します。

ほぼ原典である太平記の記述の通りですが、菊慈童では枕の妙文の話は出てくるものの、菊の葉に妙文を書き写したことで水が不老不死の薬になったことは、地謡の上歌で「この妙文を菊の葉に 置く滴りや露の身の 不老不死の薬となって」と謡われるため、ことの経緯が理解しがたいところがあります。
もっとも下掛の本には地謡の上歌の後、クリ、サシ、クセがあって、穆王をめぐる話がより委しく謡われますが、とは言え観世の枕慈童のシテの詞のように、薬の水の謂われをはっきりと謡っている訳ではありませんので、わかりやすさという意味では枕慈童の整理の方がすっきりとしています。

シテはさらに、立ち寄って枕を拝むようにと勧め、ワキが「妙文を拝し奉る」というと、シテが「いでいで舞楽を奏しつつ この客人を慰めんと」と謡ってワキを見、地謡が「西に向ひてうち招けば」と謡い出すとシテは幕方に招き扇。ワキはワキ座に戻り、座し直したシテは「聞きも馴れざる仙樂を奏せば」で腰浮かせて立ち上がり、「慈童は立ち出でゝ」と台を下り「舞を奏づる姿も たをやかに面白や」の謡にサシ込み開キ、答拝して楽を舞出します。
で、あれ? 盤渉?

観世流大成版には能ノ小書「無シ」と書いてあり、予想していなかったのですが楽が盤渉 です。事前のチラシにはなかったのですが、当日のパンフレットをよくよく見ると「盤渉」と小書が書かれていました。

さて楽を舞上げると大ノリの地謡で左右ヒラキ、後見が壺のようなものを出してきて藁屋の前、常座寄りに置くと、サシ込み開キ、六つ拍子踏んだシテが「この御薬を奉らんと」の謡に壺を取り、ワキ正に出して汲み入れる型から「勅使にこれを捧げつつ」と壺を捧げ持ってワキに渡し、ワキ一行は立って正先を回って退場。
シテは「汲めや掬べや飲むとも盡きじ」の謡にワキ座からワキ一行を見送って常座まで進み、開いて留拍子を踏み終曲となりました。
(42分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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