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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

松山鏡 中森貫太(九皐会)

観世流 矢来能楽堂 2019.02.10
 シテ 中森貫太
  ツレ 遠藤和久、子方 富坂唐
  ワキ 福王和幸
   大鼓 亀井広忠、小鼓 幸信吾
   太鼓 林雄一郎、笛 寺井宏明

まつやまかがみ・・・古くは「まつのやまかがみ」と読まれていたらしいのですが、観世流では少なくとも大正年間には、既に「まつやま」の読みになっています。ともかくも「まつのやま」は、四国松山ではなく、越後松之山のこと。松之山にまつわる伝説をもとにした一曲です。

これがまた極めて上演の少ない曲で、実は三月に観た藍染川とも並ぶ稀曲です。ちなみに大角さんの観世流演能統計では、平成21年までの60年間に、松山鏡、藍染川ともに7回しか上演がなく、204位と205位。現行曲でこれより少ないのは、代主と放生川のみで、いずれも上演は3回です。

しかし、松山鏡も藍染川もつまらない曲ではありません。予想外に面白いのですが、ただし、観てみれば上演が少ない理由が直ぐ分かります。どちらもシテがほとんど活躍しない。本曲では後場に登場するのみで、しかも早笛で登場し、舞働からキリを舞いあっという間に終曲になってしまいます。存在感はあるのですが、これではなかなか演じようというシテ方は出てこないでしょう。シテ方の能楽師自身が一曲のプロデュースもするという、能の仕組みの中では、シテ方がやろうと思わない曲は上演され難い。そういう意味で、両曲ともなかなか取り上げられないのだろうと思います。私も、両曲とも初見です。

さて松山鏡ですが、最初に書いた通り、物語の舞台は越後、松之山です。松之山は合併によって現在十日町市の一部となっていますが、中越地方の雪深い地区。松之山温泉の婿投げ行事でも有名ですが、国内でも有数の豪雪地帯です。
そんな地域なので、鏡を知らないという伝説の地になったのかも知れませんが、もともとの鏡を廻る説話はインド起源で、中国を経由して渡来した様子です。

狂言の鏡男・・・以前、鑑賞記を書いていますが・・・や、落語の松山鏡も、同様に松之山の地と鏡を知らない住民という素材をタネにしていますが、こちらはドタバタの喜劇に仕立てられているので、割合に上演も多いようです。

さて本曲の舞台ですが、明日からその様子を書いてみようと思います。
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