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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

藍染川さらにつづき

さて左近尉は文をもって常座に進み、シテを向いて返事をもらってきたことを告げると、急いで読むようにとシテに寄って文を渡し常座に戻ります。シテはさっそく返事を読もうと文を広げて読み上げます。
しかし文には、対面はしない、梅千世には親と思うな、はやはや都へ帰り給へと書かれています。シテは「これは夢かやあさましや候」と謡いつつ、文を右手に持って下ろし、シオリます。
この様子に子方が声をかけ、シテ母に嘆かないようにと言いますが、シテは子方のほうを向いて、神主の心変わりを嘆いているのではなく、梅千世を父に見せ、所領の一所でも継がせようと思って遥々下ってきたのに、それがかなわないのが悲しいのだとシオリます。
子方梅千世は笛座の斜め前に、シテはさらに正面に近い方に、笛方からほぼ直線に並んでいますので、シテが子方を向くとちょうど後ろを向く形になります。このシテ、子方のやり取りの後の地謡では、シテは一度、目付柱の方に向き直りますが、片シオリした後に再び子方を向き「一人子を残し置くべき 悲しさよ」とシオリますが、この姿は正面席からはシテの背中を見る形になります。
左近尉が声をかけ、神主殿から命じられているので、急いでこの家を出て行くようにもとめ、立ち上がると鏡板にクツロギます。
昨年も書きましたが、金春ではシテが今夜はここで明かさせてほしいと言い、左近尉が度々使いがあって少しの間も置かぬようにと急かされているので、急いで出て行ってほしいと繰り返す形になっています。観世ではこの繰り返しのやり取りを欠いています。

さて、シテと子方も立ち上がりますが、シテは常座から小鼓の前辺りに立つ子方に向き声をかけます。ここからのやり取りで、シテはこのまま都に帰るのでは人目もあるので出家しようと思う旨を述べ、離れないという梅千世を説き伏せて地謡に。
地謡が「とにかくに帰らんまでは待ち給へと 夕顔の空目して」と謡うに合わせてシテは向きを変え、橋掛りへ進むと「藍染川に身を投ぐる」と二ノ松で腰を落として入水した形。繰り返す「藍染川に身を投ぐる」で幕に入り中入となります。
さてこのつづきはまた明日に
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