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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

藍染川またまたつづき

ワキ神主は子方を立たせると舞台へと進みます。正先に置かれた小袖に寄り、子方が地謡側、神主がワキ正側かから、身を投げた女の遺体に見立てて見込む形になります。
神主は梅千世に一跡を譲り世に立てようと言い、また女の跡を懇ろに弔うので怨み給うなと言って、地謡のクセに。
短いクセでは亡くなった女の様が謡われ、その間に神主は扇を上げ、また下げ、面を上げ、また面を下げるなど細かい演技ながら、女の死を悼む様子を見せます。

クセの後、ワキは笛座前に座した左近尉に向き直り、臨時の幣帛を捧げて肝胆を砕き、ふたたび蘇生させようと思うがどうかと問います。左近尉が尤もにて候と答えると、神主は立ってワキ座へ向かい、子方もワキとワキ柱の間に座します。
従者が小袖を抱くような形で後見座に下げると、後見が一畳台を運び出してきて大小前に据え、さらに宮を出して一畳台に載せます。宮が据えられると左近尉が幣を持ち神主に渡します。神主は、さらば祝詞を参らすと言って宮に寄り、ノットの囃子を聞いて「神主御幣をおっ取って 神前に参り跪き」と謡い出して「謹上再拝 我此道場如帝珠 十方三宝影現中 我身敬礼三宝前 顔面接足帰命礼 南無天満天神」と祝詞を捧げます。この後の詞章は昨年より簡単な形です。

地謡が謡い出すと、神主は幣を両手で捧げて立ち、ワキ座に戻ります。
出端の囃子が奏されて、引廻しの内からシテの声。地謡が受けて「御殿頻りに鳴動して 現れ給ふぞかたじけなき」と謡うと、引廻しが下ろされて、宮の中で床几に腰を下ろした後シテ天神が姿を現します。天神の面に黒垂初冠、半切に袷狩衣を着け、幣を持っています。
「そもそも当社と申すは」とシテが謡い、地謡が続けると、シテは舞台に下り角へと向かいます。角トリして左に回り大小前から正面に向かってサシ込み開キ、左の袖を返して神主を見込み、サシて右から廻ると「また逢ふ事も」と左の袖を巻き上げて後ろを向き、「これ当社の神恩ぞと喜びの祝詞を奉り」で常座へ向かい、小回りして袖を直して開キ。「神は上らせ給ひけり」と袖を返して留拍子を踏み終曲となりました。

地謡の詞章に「誓ひの春に また逢ふ事も たゞこれ当社の神恩」とあり、これをもって女が蘇生したということかと思います。蘇生した姿を出したりしないところが能らしいところと、あらためて思った次第。
金春と観世と、見比べてみると、基本形は同じであるものの、装束、詞章、所作それぞれに少なからず違いがあります。特にワキ神主、ワキツレ左近尉の詞章、所作も多く、これは同系のワキでないとやり難いだろうと思うところ。貫太先生はブログに「とある理由でワキ方は福王流でないと難しく」と書いておられます。「とある理由」は分かりませんが、いずれにしてもこれだけワキの占める部分が大きいと、シテ方との相性というのが大事なのかと思いました。
(91分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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