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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

夜討曽我さらにつづき

団三郎、鬼王の二人は拝して立ちあがり、いっぽうシテは地謡座前に下居してシテ柱の方を向く形になります。団三郎、鬼王はワキ正に進んで下居し、十郎に向いて双手突キ礼の形です。
畏まった二人に、十郎は兄弟に言うことがあるが承知するか、承知しないか真っ直ぐに言えと命じます。何を命じるかは言わないままに承知するかと問いますが、団三郎は畏まり、何事も御諚を背かないと明言します。すると十郎は、今夜、祐経を夜討がけに討つことにしたが、自分たち兄弟が死んでしまうと、故郷の母が嘆くだろう。それが余りにいたわしいので、形見の品々を持って「二人ながら故郷へ帰り候へ」と言います。
団三郎は「これは思いも寄らぬ御諚」と体を起こし、御意も御意によってのことで、長年奉公してきたのも大事の時に真っ先かけて討死すべきためと言い「この儀に於いては罷り帰るまじく候」と双手突キ礼、続けて「鬼王さやうにては」と鬼王の方を少し見る形です。鬼王も、なかなかのことと返答し「罷り帰ることはあるまじく候」と団三郎を少し見つつ答えます。
二人の詞に十郎は、不思議なことを言うものだ、だからこそ先に言葉を固めたのにと言って、再度、帰らないかと問いかけます。団三郎が「さん候」と答えると、十郎は「汝は不思議なる者にて候」と言ってシテ五郎に向き「あれを御帰し候へ」と言います。
シテは「畏まって候」と答えて団三郎、鬼王に向き「何とて罷り帰るまじ」と申すぞと言い、さらに立ち上がって二人に寄り、そういうだろうと思って「始めより言葉を固めて・・・」と言いつつ下居。「何とて帰るまじいとは申すぞ」と扇で床を打つ形で二人に迫ります。
シテ五郎の勢いに、二人は罷り帰ると返事をします。これを聞いたシテは「おうそれにてこそ候へ」と直し、十郎に向いて双手突キ礼で二人が帰ると言っている旨を奏上します。シテは立ち上がって地謡座前に戻りワキ正方向いて座します。

団三郎と鬼王は向き合い、まず団三郎が鬼王に呼びかけ、進退が極まったと言います。鬼王も同調し、是非を弁えず、思うに何処でも命を捨てることが肝要であり、ここで団三郎と刺し違えようと返します。二人は扇を胸に入れ、片袖脱ぐと、団三郎が。たしかに何処にても命を捨てることが肝要で、いざ刺し違えようと言って、二人は胸を取り合い、鬼王が「尤にて候」と答えます。
ここでシテが立ち上がり、ああ暫くと二人を止めに入ります。続いて十郎が声をかけ、まず心を静めて聞くようにと言うと、三人双手突キ礼の形で十郎を見ます。十郎は、今夜此処で祐経を討ち、自分たち兄弟が死んでしまったならば、故郷の母に誰がこのような子細だったと語るのか。敬う人に従うのは君臣の礼、これを聞かなかければ後の世までも勘当だと言い、地謡となります。シテは立って地謡座前に戻り下居。地謡の「さらば形見を賜はらんと」の謡に団三郎、鬼王は体を起こし、続く「言ふ声の下よりも」で再び双手突キ礼、「不覚の涙せきあえず」と片シオリします。

クリで二人向き合って袖を直し、胸から扇を出して十郎を向くと双手突キ礼。
十郎のサシで二人は正面を向き、地謡に。「我等を隔てぬ習なり」で二人、十郎と向き合って再び双手突キ礼の形になります。
クセとなり、「今はの時に書く文の」で十郎は胸元から文を出して、何やら書きつける形。「老少不定と聞く時は」で団三郎が扇を広げ、立って十郎に寄り文を受け取って下がり下居します。「その時時致も」でシテも胸元から守りを取り出して鬼王を向きます。「時致は母上に添ひ申したると思し召せ」で鬼王は扇を広げると、立ち上がってシテに寄り、守りを受け取ると、下がって下居します。
十郎が「既にこの日も入相の」と謡って地謡となり、「さらばよ急げ」で四人向き合い、「涙を文に巻き籠めて」と団三郎、鬼王はシオリつつ立ってゆっくりと橋掛りへ。十郎は立って常座へ、シテも立ち上がって正中と角のあいだ辺りに立ち、団三郎と鬼王を見送る形。二人は目付柱の方を向き、十郎は立ったまま、シテは片膝立ててシオリ、大小のアシライで二人中入りとなりました。
さてこのつづきはまた明日に
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