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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

春栄 藤井雅之(五雲会)

宝生流 宝生能楽堂 2008.12.20
 シテ 藤井雅之、子方 波吉敏信、ツレ 山内崇生
  ワキ 宝生欣哉、アイ 山本則重
   大鼓 大倉正之助、小鼓 住駒幸英
   笛 成田寛人

和布刈に続いては春栄、これは観世流では滅多に出ない曲の一つなのですが、宝生では割と上演されているようです。上掛ということで共通点も多い両流ですが、観世流で滅多に演じられない曲が、宝生流では普通に演じられるというのも不思議な感じがします。この曲の他にも、呉服、志賀、禅師曽我などもそうですね。
さてこの春栄、子方がシテの弟という珍しい設定のためか、子方の技量が求められるところです。

まず囃子無しで子方を先頭にワキ、アイの一行が登場し、子方がワキ座へと進む一方で、ワキとアイは一度鏡板を向いてクツロギます。その後あらためてワキが常座に進み、アイが後ろに控える形で、ワキは「高橋権の頭」と名乗ります。
本来であれば名乗り笛で登場するところでしょうけれども、子方が先頭に立つため名乗り笛が吹けず、囃子無しの出となるわけです。聞いたところでは、昔は、鏡板にクツロイだ後に常座へ出るときに、名宣笛の一部を吹いたとかいう話もあるそうです。

ワキの言葉で、宇治橋の合戦に勝利した際に多数の捕虜を捕らえたが、自分も春栄という幼い人を生け捕りにした。その旨を報告したところ処刑せよと命ぜられたことが示されます。
宇治橋の合戦というと、源三位頼政が平家に敗れて近くの平等院で自害した戦いを思い浮かべますが、このあとで登場するシテが春栄を探して伊豆の国府へ向かうという設定ですので、頼政の話では辻褄が合いません。

ここは、木曾義仲と、鎌倉の頼朝に遣わされた範頼・義経とが戦った宇治川の戦いを想定しているようで、春栄は義仲方、高橋権の頭は鎌倉方の奉行ということでしょうね。

さてこのつづきはまた明日に
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