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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

春栄さらにさらにつづき

蘭曲(現行の観世流では乱曲と表記します)は、廃曲となった能の一部などで、謡い手の技法を聞かせるように独吟の謡に仕立てたもの。観世流では乱曲の中でも特に重い習い事のある三曲として「初瀬六代」「東国下」「西国下」をかかげます。「東国下」は捕らえられた盛久が、都から伊豆に下る道々を謡ったもので、同様の部分は能「盛久」にもありますが、「東国下」では、はるかに多くの地名が謡い込まれています。

「東国下」は、現在の宝生流が蘭曲としている十五曲には含まれていませんが、大変古い時代の謡なんだそうで、世阿弥が将軍の前で謡ったという記録もあるとか。その最後の部分がこの曲のクセに取り入れられています。

クセの終わりでワキは子方を正先に下居させ、シテは目付に出て、二人並んで合掌する形になります。謡が終わると、早打が登場してきます。

ワキ方の井藤さんが早打を勤め、幕内から「静まり給へ高橋殿」と声をかけながら登場すると、ワキは太刀を抜いて、早く斬れとの使いかと身構えます。しかし橋掛りを進む早打は囚人七人の赦免の使いと語ります。ワキは早速に春栄はどうかと尋ねますが、一ノ松に立った早打が、七人のうちにあることを告げ、ワキは常座に出て早打から文を受け取って読み上げます。
文には春栄の名が三番目にあり、目出度く赦免となります。

喜んだワキは、春栄に自らの跡を継がせたいと申し出、シテが同意すると、太刀を取って子方の横に置き、高橋家に伝わる太刀を贈ろうと言って、子方に扇を広げて盃事をします。さらにシテにも酌に立ち、子方、シテと立って酌をする形で酒宴となり、喜びのうちにシテの男舞になります。
藤井さんの舞は、すっきりとした舞で、武士の舞う男性的な喜びの舞の雰囲気が良く表されていたように感じました。

終曲はシテのワカから、三島の宮を拝するシテ、子方二人して合掌し、ワキが子方を連れて先に退場するなか、シテが鎌倉に向かうと拍子を踏んで留になりました。
なかなかに面白い能だったと思います。
(78分:当日の上演時間を記しておきます)
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