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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

清経のつづき

ワキは次第の囃子で登場し、常座で次第謡。白大口に掛素袍、笠を被っていますが、素袍の茶の地が人目を忍んでの旅の様子を強調しているように思えます。

地取りで笠を外し正面に向き直ったワキは、左中将清経に仕える淡津の三郎と名乗り、西国落ちに付き従っていたものの、清経が入水してしまったことを知らせに都へ上ってきたと語ります。笠を被って道行の謡で、秋暮れて都に忍びつつ戻る身の上を謡い、後見座に笠を置いて案内を乞います。

ツレに招じ入れられる形で正中に進み出たワキは、「面目もなき」使いであると言い、ツレはさては遁世かと尋ねます。
しかし清経は戦死でも遁世でもなく、先々を儚んでか、豊前柳ヶ浦の沖で船から身を投げてしまったわけです。ツレは、再会を約した清経が自ら命を絶ったことに、悲嘆と恨みの気持ちを見せますが、清経と妻の思いの深さを示す大事なところです。

ワキが清経の遺髪をツレに渡しますが、ツレは「見る度に心尽しの髪なれば、うさにぞかへす」とワキに遺髪を返す所作を見せます。今では「真心を込めた」の意味で用いられる「心尽くし」ですが、謡曲に出てくる意味では「あれこれ考えさせる・・・心を尽くさせる」の意味の方が普通ですね。地謡が続けて夢になりとも姿を見せて欲しいと泣きながら床に伏すと謡い、ワキは静かに切戸口から退場します。

常の形では、この地謡のうちにシテが登場し、地謡が終わると「聖人に夢なし 誰あつて現と見る」というサシを謡い出しますが、音取の小書きでは地謡の終わりに笛が吹き出し、この笛にひかれるようにシテが登場してきます。

地謡の途中、「寝られぬにかたぶくる」あたりでこの日の笛方、一噌仙幸さんが笛座から前に出て、幕の方に向いて笛を構えました。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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