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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

成上りのつづき

思案したすっぱが青竹を手に再び太郎冠者に近づき、太刀の代わりに竹を握らせて太刀を奪います。月崎さんがシテの際の鑑賞記にも書いたように、大藏流ではこのまますっぱが退場してしまいますが、和泉流では後段があるため後見座にクツロギます。

すっぱが下がると主人が目を覚まし「東が白うだ」と太郎冠者を起こし、まだ暗い中を出発します。
二人して舞台を回っているうちに、太郎冠者は太刀が青竹に変わってしまっていることに気付きます。この気付く様がまたまた面白いんですね。そして主人に「世間に成り上がりと申すことがござるがご存知か」と問いかけるわけです。

山の芋が鰻に、蛙がカブト虫に、ツバメが飛び魚に、嫁が姑に成り上がるなどと言い、さらに「熊野の別当のくちなは太刀」の話を続けます。別当の太刀は世の者には蛇と見えたが、家の者が取りに行くと太刀であったなどという話。
いきなり怪しい話をした後で、太郎冠者は主の太刀も「はや成り上がって青竹になりました」と主に竹をみせます。

以前に書いたように、ここで大藏流では主が叱って留になるわけですが、和泉流では主人が即座に、いたづら者が取り換えたものだろうが、人出の多い日はさらにほかの者を狙って徘徊していようと言い、二人してすっぱがやって来るのを待つことになります。

ここで後見座にクツロいでいたアドが立ち上がり、いったん橋掛りへ出て太刀を持って登場してきます。待ち構えていた太郎冠者が男の太刀に気付きますが、このややオーバーアクション気味の気づき方がまたまた面白い。そして、二人してすっぱを捕らえよと声を掛け合った後に、主人がすっぱを捕らえます。

この後は、真奪太刀奪などとも同様の展開で、しっぺいを当てようとして避けられたり、泥縄の言葉通りに縄をなってみたりなど、ドタバタ劇となります。やはり月崎さんの時に書いたように、このこの後半の部分が大変面白いだけに、逆に成り上がりの様々を述べた部分がいささか霞んでしまう感じは否めませんね。
それにつけても萬斎さんの芸は、古くからの狂言にとどまらない、現代劇やパントマイムのような要素も入れ込んだ形で、大変面白いのですが、古典も常に変化すべしということなんでしょうね。
(18分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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