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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

西王母 田崎隆三(第49回式能)

宝生流 国立能楽堂 2009.2.15
 シテ 田崎隆三、ツレ 佐野登
  ワキ 村瀬純、アイ 善竹富太郎
   大鼓 國川純、小鼓 曾和正博
   太鼓 観世元伯、笛 藤田朝太郎

西王母(セイオウボ)というのは中国で古くから信仰されている神様だそうで、道教では女仙人を束ねる偉い神様なんだとか。この能も、そうした見方の上にできあがっていて、帝の威徳によって西王母が来臨し、長寿を約束する桃の実を捧げて舞を舞うという、脇能らしい目出度い作りになっています。

この西王母の桃を盗んで食べてしまったのが孫悟空ですね。
桃は古来から邪気を払って不老長寿をもたらす植物とされているようで、中華料理などでお目にかかる桃饅頭も、そんな意味を込めたもののようです。

日本でも、黄泉の国に伊邪那美命を訪ねた伊邪那岐命が、変わり果てた妻の姿に驚いて逃げ帰る途中、追ってくる伊邪那美命や黄泉醜女たちに桃の実を投げつけて難を逃れた話が、古事記や日本書紀にみられますね。
中国の思想が入り込んだのか、あるいは日本でも独自にそうした思想があったのか、そのあたりは分かりかねますが、ともかく桃が尊ばれていたことはうかがえます。

ただし、西王母が女仙人を束ねる偉い神様として奉られるようになったのは、道教が成立してからのことで、もっと古くはだいぶん話が違っていたようです。
山海経(センガイキョウ)という、戦国時代・・・もちろん中国の戦国時代ですから紀元前のことですが、この頃から書かれ始めた地理書があり、私は本文にあたったことはありませんが、この中に出てくる西王母は人頭獣身、おそらく体は虎のようで、しかも尾は蛇だとかいう恐ろしい鬼神だそうです。非業の死を司る恐ろしい鬼神だったのが、敬えば非業の死を避けられるのではないかと崇敬されるようになり、道教の偉い神様になったと、そんな説を見かけます。
話が逆転してしまうという、そのあたりが伝説の面白いところかも知れません。

さて能のほうは、明日につづきます
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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