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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

道成寺またまたつづき

ワキ、ワキツレは数珠を揉みつつ、東方降三世明王、南方軍荼利夜叉明王、西方大威徳明王、北方金剛夜叉明王、そして中央に大聖不動明王の五大尊明王を請じ、「曩謨三曼陀・・・」と不動明王慈救咒を唱えて鐘を上げようとします。

地謡が「すはすは動くぞ 祈れただ」と謡ううちに、鐘後見が綱を緩めて鐘を少し上げ、しばらく止めた後にいったん鐘を下ろします。

鐘の中からシンバルのような音が聞こえますが、これは無事準備が出来ているという合図の意味があると聞いたことがあります。舞台上で装束を直したりすることを物着といいますが、通常は後見が整える物着を、この道成寺では鐘の中に入ったシテ一人でしなければなりません。
また鐘に飛び入る際に、落ちてくる鐘の天井に頭を打ちつけて脳震盪を起こしてしまったなどという話もあり、本当に鐘を上げても大丈夫だという確認のために、少し鐘をあげたり、シンバルのような音を立てたりすると、まあそんな話のようです。

さていよいよ鐘がつり上げられると、蛇体に変身したシテが姿を現します。面を般若にかけ替え、唐織を脱いでいます。他流ではこの脱いだ唐織を腰に巻き付けて立ち上がり、橋掛りにかかるところで蛇が脱皮するように唐織を落としますが、金春流では鐘の中、座したところにそのまま唐織を脱ぎ捨てて立ち上がります。これまたなんだか生々しい感じで、他流とは違った独特の印象があります。
また他流は通常は黒頭で、前シテで出た際の鬘を乱すだけで、赤頭など小書きがついた時のみ頭を換えますが、金春流は小書無しの常の形が赤頭なので、それだけシテも負担が大きいと思います。

ワキとの対決になり、打杖を振り、シテ柱に巻き付く型を見せたりなどしつつ、シテはワキに迫りますが、結局は祈り伏せられた姿を飛び安座で示し、鐘を見上げると立ち上がり、橋掛りに走って「深淵に飛んでぞ入りにける」で幕に飛び入ります。

ワキは「望み足りぬと験者たちは」の謡に、常座でユウケンし、留拍子を踏んで終曲となりました。
いささか詳細に書いてみましたが、久しぶりの道成寺で、月並みではありますが「面白かった」としみじみ思った次第。芳樹さんのお人柄か、怒りの中に優しさも窺えるような一曲でした。
(111分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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