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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

月の出・・・融のつづき

11時の開演から、既に7時間近くが経って、見所も相当に疲れてきているのでしょうけれども、ほとんど席を立つ方がいません。そんな中で演技が進行します。


シテの「や、月こそ出でて候へ」の声に、ワキは、籬が島の森の梢に差し入る月光に古の姿が偲ばれると言います。
シテの返答は「何と、只今の面前の景色がお僧の御身に知らるるとは」と、僧が月光の中に、昔、融の大臣が池に舟を浮かべて遊んだ姿を垣間見たことに、驚きを示します。


このあたりのシテ、ワキの問答は趣深い。ワキは重ねて融の大臣の昔を語るようにシテを促し、さらに月光の中で京の名所名所を教えて欲しいと頼みます。
名所教えは融前場のハイライトの場面ですが、シテとワキの呼吸が合うとき、見所の後方にさながら京の山々が浮かび上がってくるようです。音羽山に始まり、歌中山清閑寺、大原、嵐山まで京の名所が詠み込まれています。


老人は長物語に忘れていた、と言って、汐汲を始めますが汐曇りに紛れて姿が見えなくなってしまいます・・・中入り


語りアイの後にワキの待謡、そして後シテの出となります。
異界からの到来を告げるように太鼓が打たれ、後シテ融の大臣が登場します。
融後シテの常の装束は狩衣に指貫ですが、小書きがつくと替の装束になり白の大口。さらにこの日は、心葉、日陰糸のついた初冠姿。これは綺麗でした。まさに栄華の絶頂にある大臣の再来のようです。


「忘れて年を経しものを」とサラサラと流れるように謡いがつづき、栄華の昔を象徴する舞へと導かれていきます・・・明日につづきます

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