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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

十三段之舞

後場は流れるように舞へとつながります。


十三段之舞と言っても、十三段に分けた特別な舞があるという訳ではありませんで、黄鐘早舞五段、盤渉早舞五段、急ノ舞三段を舞って都合十三段になります。
舞を巡るあれこれの話は、いずれ別の機会に書こうと思っていますので、詳しくはそちらに譲りますが、一つの舞の中に序破急がある感じで見事な舞でした。


最初の五段はややゆったりとした感じ。通常の早舞の型で五段を舞い、常座に戻りますがここで舞の終わりを示す形の、扇を持った右手を下げる所作をせずに、そのまま答拝の形になって二度目の五段の舞に入ります。


二度目の五段では、途中から笛の調子が一段高い盤渉調に上がり、型も変化に富んだものにかわります。だんだん興が乗った感じで運びが速くなり、舞の動きに吸い込まれるようでした。
そして急ノ舞三段。運びはいよいよ速くなっていきますが、少しも雑な感じにならず、流麗さと速さが両立した素晴らしい舞でした。


舞の終わりは正中に座した形になります。通常では常座に戻って「あら面白の遊楽や・・・」の地謡を聞き「それは西岫に・・・」と受けながら動き出しますが、しばらくは座したままの形。
長く、そして速さのある舞の後で、息を整える意味もあるのだろうと思いますが、逆にそれが趣ある感じになっています。もっとも「それは西岫に」の謡も少しも息が乱れた感じはなく、浅見師の体力にも驚きを禁じ得ませんでした。


キリは「あら名残惜しの面影や」と橋掛りを進み、その遠ざかる後ろ姿に引かれるようにワキが立ち上がりますが、観ている方もワキと同時に立ち上がりたい衝動を感じました。静かに立ち去るシテの後ろ姿を、ただ呆然と見送りました。
融のキリはいつ見ても感動してしまいますが、この日は特に、なんとも言えない満足感と惜別の想い。まさに「名残惜しの面影」でした。

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