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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

落葉 山田純夫(潤星会)

金剛流 国立能楽堂 2009.6.6
 シテ 山田純夫
  ワキ 工藤和哉、アイ 山本則重
   大鼓 柿原弘和、小鼓 幸信吾
   笛 寺井久八郎

潤星会の当日も書きましたが、この落葉は金剛流独特の形で、陀羅尼経を読みつつ序ノ舞に入り、その功徳の有り難さを破ノ舞に示す他流の形とは違っています。他流と言っても現在、時々演じられるのは喜多流くらいでしょうか。
ともかく他流にない形ですが、なかなかに趣き深い一曲です。

さて舞台には、次第の囃子でワキの僧侶が登場してきます。無地熨斗目着流しに茶の水衣、角帽子を着け右手に数珠を持っています。
登場してきたワキは、常座で型通りに斜め後ろを向き「波と草とに変われども 波と草とに変われども 枕や同じかるらむ」と次第を謡い、向き直って北国方より出でたる僧と名乗ります。流儀によって違うかも知れませんが、いわゆる陀羅尼落葉ではワキはワキツレを伴って出「月を都のしるべにて 月を都のしるべにて 越路の旅に出でうよ」という次第を謡います。「おお、ここから違うか」という感じです。

ともかくワキ僧は、北国から若狭路を通り、都に上る旨を述べて道行の謡。都も近い浅茅生(アサジウ)の小野に着きにけりと謡って、山城の国小野の里にやって来ます。
この小野の里は、源氏物語の最後の部分、宇治十帖で重要な役回りとなる浮舟が住んだ故地であり、僧はこれを思い出して成仏を祈りつつ、ワキ座へと進みます。

すると幕が上がり、シテが呼び掛けで、手習の君すなわち浮舟しか供養しないのかと問いかけます。ワキは立ち止まり、ふと思い出し回向していることを答えますが、シテは橋掛りを歩みつつ、この地は同じ源氏物語に登場する落葉の宮の旧跡もあることを告げます。
落葉の宮は源氏の兄、朱雀院の第二皇女。源氏の親友である頭中将(後の太政大臣)の長男である柏木は、朱雀院の第三皇女、女三の宮を愛していますが、女三の宮は源氏に降嫁したため果たせず、第二皇女の落葉の宮を正妻としています。
しかし女三の宮を忘れられない柏木は宮と密通し、子をもうけてしまいます。柏木はやがて病を得て亡くなりますが、その際に親友であり、源氏の息子でもある夕霧に落葉の宮を託します。
この運命に弄ばれる女二の宮がこの曲の主人公で、これは陀羅尼落葉も同様なのですが、どちらかというと源氏物語では地味な登場人物。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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