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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

卒都婆小町 一度之次第 関根祥六(閑能会別会)

観世流 観世能楽堂 2009.9.12
 シテ 関根祥六
  ワキ 宝生閑
   大鼓 安福建雄、小鼓 曽和正博
   笛 一噌庸二

老女物の一曲ですが、いささか「老女物」に括ってしまうには違和感が残ります。
年老いた小野小町という設定は、鸚鵡小町や関寺小町などと共通ですし、老女物であることには違いないのですが「なう物賜べなう御僧なう」と物乞いの形を見せたり、卒都婆問答をしたり、さらに深草少将の憑き物の様子を見せたりなど、いささか異質な物を感じます。鸚鵡小町の小町もなかなかに理知的な問答をしますが、形ではない、心理戦のような印象です。

そう思ってふと調べてみると、この曲、申楽談義に「小町」とされている曲と比定されていて、観阿弥作を世阿弥が改作したという説が主流のようです。
たしかに観阿弥の作となれば、物真似が能の重要な構成要素であった訳ですから、妙にリアルな物乞いなども納得いく感じがします。
とは言え、老女物の一つとして演じられる現代の認識の上で、どのあたりにバランスを置いて演じるのかは、演者の考え方、腕ということになりましょうね。

それとこの曲の「卒都婆」。卒塔婆と表記するのが一般的と思うのですが、なぜか都の字を書きます。卒塔婆は梵語ストゥーパの音訳でもともとは仏舎利を入れた塔の意味ですから、塔の字を書いた方が自然な感じですが、この曲では小町にちなんでなのか、わざわざ「都」の文字を使っています。
また観世流のみ「そとわこまち」と読みます。もちろん他流は「そとばこまち」ですが、老婆となった小町に「ば」と言わせたくなかったのでしょうか。観世流の謡本の詞章では、ワキは「そとば」と謡い、シテは「そとわ」と区別して謡うように書かれています。
ともかく鑑賞記は明日につづきます
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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