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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

咸陽宮のつづき

地謡、囃子方が着座すると、後見が一畳台に引立大宮を持ち出し大小前に据え付けます。始皇帝の宮殿という訳ですが、準備が整うと狂言口開ということで、間狂言の万之介さんが登場してきます。側次に括り袴、官人頭巾を被った唐官人出立で常座に出ると、燕の国の地図と樊於期(ハンオキ:本曲ではハンヱキないしハンネキ)の首を持ってくる者には思いのままの恩賞を与えるとの皇帝の命を述べ、この分心得候へと触れて狂言座に下がります。

いきなりこう言われても何のことか分かりませんが、平家物語に沿えば樊於期(平家ではハンヨキ)は秦の国の武人で、始皇帝のために親、おじ、兄弟を殺されて燕の国に逃げ隠れていた者。始皇帝は宣旨を下し、樊於期の首を切って持ってきた者には五百斤の金を与えようと布告しています。

またそれ以前の話として、燕の太子丹が秦にとらわれて十二年、老母に会いたいので燕に帰して欲しいと始皇帝に願い出ますが、皇帝は馬に角が生え、鳥の頭が白くなったら帰そうと無理難題をふっかけます。しかし丹の思いが通じたのか、馬に角が生えて宮中に現れ、また鳥の頭が白くなって庭前の木に止まったため、皇帝はやむなく丹を故国燕に帰します。
しかし、丹を帰してしまったことを後悔した皇帝は、燕の国との境にある川の橋に細工をしたりなどして妨害します。これまた奇瑞によって丹は難を逃れて燕に帰国しますが、こうした事情から始皇帝を深く恨んで、秦に服しません。皇帝は軍勢を出して燕を攻める姿勢を見せ、燕は策を持ってこれに対抗しようとしています。

そうした背景から、燕の地図と樊於期の首を持ってこいという触れに繋がる訳ですね。平家物語に沿えば、と書きましたが、このあたりまでは概ね史記の記述と変わりません。

さてアイが狂言座に下がると、笛のヒシギに太鼓が重なり、真ノ来序となります。大変重々しい囃子ですが、これに乗って橋掛りにはまずツレの花陽夫人(カヨウブニン)と二人の侍女が出、続いて白の袷狩衣に紫の半切、唐冠をつけたシテの皇帝朝倉さんが登場してきます。さらにワキツレの大臣則久さん、こちらは紺地の狩衣に白大口、続いて野口能弘さんと井藤さんの二人の従臣がいわゆる赤大臣姿で続きます。
夫人と侍女はワキ座から順に並び、シテは台上に座し、ワキツレの大臣達はワキ正に並びます。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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