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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

咸陽宮もう一日のつづき

シテの詞「不思議やな箱の底に剣の影・・・」で燕の地図が入った箱の底に剣が忍ばせてあったことが判明します。(史記では地図が巻物になっていて、これに剣が巻き込まれていたことになっていたようですが)
シテは「既に立ち去り給はんとす」と立ち上がろうとしますが、地謡の「荊軻は期したる事なれば」で、二人が皇帝を抑え、ワキ荊軻が剣をシテの胸に構えます。

身動きできぬ始皇帝は死を覚悟しますが、三千人の后のうち花陽夫人という並びなき琴の上手がいて、毎日その琴を聞いている。今日はまだその音を聞いていないが、最期に花陽夫人の琴を聞きたいと所望します。

これをワキは許して剣を下ろし、ツレ花陽夫人の謡、琴ノ段になります。
実際には琴弾く所作はなく、ツレの琴ノ段の謡から、地謡が受けて、琴の曲が奏される様子が謡われます。この中で、夫人が「七尺の屏風は躍らば越えつべし 羅穀の袂をも引かばなどか切れざらん 謀臣は有無に酔へり群臣は聖人の御助け」と繰り返し歌い、皇帝はこの意味を悟ったものの、荊軻は意味が分からないままに、琴の音に聴き入って眠り込んでしまいます。
ワキ、ワキツレの二人が面を伏せて眠った形になると、シテはワキを見て一度正面に戻し、さらに「荊軻がひかへたる」とワキを見、地謡が「御衣の袖を引つ切って」と謡うに合わせて、左右と袖を引いて立ち上がり台を降ります。
ワキ、ワキツレも立ちますが、ワキツレは程なく切戸口から退場し、残ったワキも、シテが後見座にクツログ間に、地の「剣を帝に投げ奉れば」で剣を投げて切戸口から退場します。

残ったシテが剣を持って目付で打ち、左へ回って左の袖を巻き上げ、常座へ進んで小回りして、袖を返して留拍子を踏みました。
上演時間は割と短い曲ですが、なにぶん平家物語の咸陽宮の段を読んでいるのが前提のような作りの曲ですので、補足を加えていささか詳しく書いてみました。
能の幽玄などとは遠い世界の曲ですが、こういう曲も含めて「能楽」が構成されている訳ですし、案外面白く拝見したところです。
(46分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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