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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

舟ふなのつづき

アドが向こうに物が見えるのであれを急いで呼べと言い、これを受けてシテが扇を広げて招く形で「ほーい ふなやーい」と呼びます。
これを聞きとがめたアドが、「ふな」ではなく「ふね」と呼べと言って論争になる訳です。

シテ太郎冠者は、近い例として、向こう岸とこちらの岸を何というかと主人に問います。もちろん船着き、フナツキで、主人は太郎冠者に言い負かされてしまいます。しかし「船着き」は仕方ないとしても、あれは「ふね」だと言い張る主人に、太郎冠者は「ふなきをふ 堀江の川のみなぎはに きいつつなくは都鳥かも」と歌を示し、「ふね」であろうというわけです。

この後、太郎冠者があと二首、都合三首の歌を示しますが、主人の方は「ほのぼのと 明石の浦の朝ぎりに 島かくれゆくふねおしぞ思ふ」というただ一首の歌を、早口で繰り返したりして、対抗するというのが見せ所。
太郎冠者の示す三首は流儀によって、家によって、出てくる順序も違うようだという話は以前にも書きましたが、この日は次の通りでした
まず最初の「ふなきをふ 堀江の川のみなぎはに きいつつなくは都鳥かも」
次に「ふな人も 誰をこふとか大島の 浦かなしげに声ぞ聞こふる」
三首目は「ふな出して跡はいつしか遠ざかる 須磨の上野に秋風ぞ吹く」

これに対して同じ歌を繰り返す主人は、最初の歌は柿ノ本の人丸の歌、二度目は僧正遍正の歌、三度目は小野小町の歌と言います。

負け続けの主人は次は仕方で、と「山田矢ばせの渡し舟の夜は通ふ人なくとも 月のさそはばおのづから ふねもこがれていづらん」まで調子よく謡い舞いますが、そのつぎの「ふな・・・」と謡って慌てて口に手を当てて押さえます。
しかしその後を知っている太郎冠者が「ふな人もこがれいづらん」と謡い、主人が「時々は主にも負けていよ」と叱って留。
入門的な狂言ですが、楽しく拝見しました。
(12分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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