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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

通小町さらにつづき

ワキはゆったりと礼を述べ、さらに今日は木の実の数を承りたく候と問いかけます。この「木の実の数」ワキの名乗りにもありましたが、いささか分かりにくい表現。「数」は「数々」の意味であることは推測できるのですが、観世の本では「木の実の数々、御物語候へ」となっていて、こちらの方が分かりやすい。後々直したのかもしれませんね。

シテはこれに答える形で「忝なき御たとへなれども悉多太子は浄飯王の都を出、檀特山の険しき道」とサシを謡い出します。
悉多太子すなわち釈迦が、都を出て檀特山中に水、薪を集め修行の日々を送ったことを引き、賤しき身ながら薪を集め持ち来ることを謡い、さらに続けて「拾ふ木の実は何々ぞ」と謡って、地謡との掛け合いで木の実尽くしの謡になります。

この木の実尽くしの前のサシの部分は上掛リ二流にはありませんで、ワキがいつも来る人かと問いかけると、直ぐに「拾ふ木の実は何々ぞ」の謡に入ってしまいます。
このサシの部分は世阿弥が追加したとも言われていますが、趣き深い謡ではあるものの、その前の「木の実の数を承りたく」というワキの詞との繋がりは今一つの感じがしますね。

また木の実尽くしの謡は、これまた以前にも書きましたが、桃や梨、柑子など柔らかい物も謡い込まれていて、確かに木に生る実ですが、現代語の「木の実」とはいささか趣を異にする感じです。

木の実尽くしの謡が終わるとワキがツレに名を問います。
ツレは「恥ずかしや己が名を」と謡い、続く地謡「市原野辺に住む姥ぞ」とワキに向かって語りかけるような雰囲気を示した後、「跡とひ給へ」で立ち上がります。
「かき消すように失せにけり」とワキを向いたまま六足ほど退ってから向きを変え、繰り返しの「かき消すように失せにけり」の謡いっぱいにシテ柱まで進んで、そのまま橋掛りを歩んでの中入。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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