FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

ドイツから来た人

天地人之会を巡っての四方山話ですが・・・
ドイツから来たという老人に話しかけられたという話は、一昨日書いた通りです。

この日は六本木で日展を見て、能楽堂には開場の30分くらい前に着いたのですが、まだ時間が早いために入り口前には若い女性が一人立っているだけ。後は広場に置かれたベンチに腰を掛けた方が数名というところでした。私は、さてどうしようかと思ったのですが、自由席のチケットでしたので、ここは並んでおこうかと若い女性の後に立っておりました。

しばらくすると、私達より入り口に近いところにヨーロッパ系と思しき老人がやって来て立ちました。
「おや、割り込みか・・・」とも思いましたが、別にこの人一人が入ったところでたいした影響もないので、そのまま待っておりました。
その老人は、何やら小さな本を出して読んでいる様子でしたが、やがてこちらを向いて
「私は11時頃ここに来ました。向こうのベンチに座っていました」と、日本語で話し始めました。
読んでいた本の表題はJapanese Grammarだったようで、割り込みではなく、早くから来ていたので一番前に入ることを納得して欲しいと、日本語で話したかったようでした。

「分かりますか?」と尋ねられたので、「分かります」と答え、先ほど読んでいたのは日本語の文法ですねと問いかけたのですが、今度は意味がとれないようで、英語は話せますかと逆に問われ「少し分かります」と日本人らしく答えてみました。
すると色々と言いたいことがあったようで、次々と老人の話が続きました。

なんでも50年前から日本に来たいと思っていて、今回ようやくドイツからやってきたのだそうで、前日は歌舞伎座で忠臣蔵を観て大変感動したとか。翌日には文楽を観に行くとも言っていました。
日本人はPoliteであるが、これは250年も続いた将軍の時代の影響が残っているからだと思う・・・とか、ちょっとした日本人より日本に詳しい感じです。
私もあまり英会話が得意ではありませんで、なかなか口が挟めず、また彼も話したいことがいっぱいあるようで、次々と話が続きます。

その中でも、彼がどうしても言いたい様子だったのは、日本語の「ありがとう」は「thank you」とは語感が違うということのようでした。「ありがとうございます」は、有り難いですから、滅多にないとかいうのが原義でしょうけれども、その辺をちゃんと踏まえていて、「much obliged」とか「debt of you」とか言う方が好ましいと力説していました。
確かに「much obliged」は辞書を引いてみると、恩に着るとでも訳すのか、お礼を言う時のフォーマルな表現と書いてあります。「obligation」に繋がる言葉ですし、そうすると「Noblesse oblige」なんていう言葉も連想されますね。

そうこうしているうちに開場となり、この老人がどんな人生を送って今日本に来ているのかなど、興味を覚えつつもそのままになっていしまいました。
私としては興味深いことでしたので、鑑賞記をお休みして、少しばかり書いてみたところです。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/1278-c84f9f39

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-04 | »
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。