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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

禰宜山伏のつづき

茶屋は茶を進じましょうと、茶碗を両手でもって大小前からワキ座の禰宜へと、直ぐに茶を供します。千太郎さんの禰宜山伏の時は、茶屋の主人彌太郎さんが、小振りの椀に茶を注いだ形で、扇で煽ぎながらアド吉田信海さんに勧めました。

吉田さんの禰宜は、飲み干すともう一杯所望し主人が二つ目を差し出しましたが、和泉流の本では一杯飲んだアドは二杯目を勧められても、これを断る形になっています。この日も吉住さんの禰宜は「最早食べますまい」と茶を断り、茶屋は茶碗を大小前に持って帰ります。

さてこの段が終わると、肩箱を担いだシテ山伏の万蔵さんが登場してきます。括り袴に黒か褐色の水衣、篠懸をかけて兜巾を着けた典型的山伏姿です。篠懸が紫色だったのが印象的でした。この曲のシテの出では次第を謡う形になっていますが、この日は次第を省き、登場したシテは常座で「出羽の羽黒山より出でたる山伏」と威張って名乗り、大峯葛城からの下向道と、舞台を一回りした後、常座で「その奇特には、今目の前を飛ぶ鳥も」と上を見回し「祈り落とすほどの行力じゃ」と強く足拍子を踏みます。
千太郎さんは空飛ぶ鳥も祈り落とす、と正先まで鳥を落とすように進み出て足拍子を踏みましたが、そこまでのオーバーさはありませんでした。

さてシテはのどが渇いたと茶屋を探してワキ正に出、足拍子を踏んで茶屋を見ます。
尊大な態度で茶をくれと言い、茶屋が差し出した椀を受け取りますが「こりゃあ熱い」と怒鳴って椀を戻します。主人は「熱くばうめて進じょう」と茶碗を取り返し、大小前で茶を水でうめた風を見せ、再度椀を差し出します。

すると「むむ、ぬるやのぬるやの」と今度はぬるいと言い、「おのれ街道に茶屋をするほどの者が、茶のぬるい熱いを知り居らぬか」と怒鳴ります。
これを床几に休んでいた禰宜が取りなそうとすると「おのれは憎い奴の」と床几から禰宜を追い出して、自分が床几に腰掛けてしまいます。

禰宜は後見座まで逃れ、茶屋が床几にかかった山伏に茶を勧めます。山伏は二杯目を断り、喉の渇きがやんだと、肩箱を担い出立した風で目付まで進みます。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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