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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

花供養さらにさらにつづき

語りが終わるとワキの待謡になり、続いて作り物の内から後シテが謡い出します。引廻しが下ろされると、浅葱の大口に、それよりも濃い納戸色のような長絹、姥髪を結わずに垂らした後シテが登場します。

初演の時は黄金色の長絹に小町老女の面を着けていたのだそうですが、今回は「姥椿」と銘した面を新作して使うということで、装束も変化しています。この「姥椿」なんだか妙に生々しい・・・写真でしか拝見したことはありませんが、白州さんと面立ちがよく似た感じなんですね。ある意味、能でありながらリアルな感じがしました。

もっとも、それでふと思ったのですが、前場に使われた増にしても、その他の女面にしても、現代の日本人の顔を前提に能を観ているので、現実感に乏しいような印象があります。しかし中世の日本人にとってはどうだったのだろうか。案外、リアルな印象を持てる面立ちだったのではないか、などと思った次第です。
古い時代は上演時間も短く、おそらくはもっと速いテンポで演じられていたのだろうと言われていますし、そもそも当時の日本人と、現代の私達では、観る方の感覚も違ってしまっているのでしょう。能楽の草創期室町の頃、戦国時代、江戸時代、それぞれどんな感覚で能楽が観られていたのか、想像してみるのも面白いと思いました。


作り物から出たシテは、クリ、サシ、クセと形式に則って作られた曲に沿って舞い、実は両性具有、変成男子の思いを持った白州正子の霊として、遠き昔に思いを巡らします。

イロヱから序ノ舞を舞いますが、序ノ舞は二段で舞上げ。確かにここは短めの舞で良かったのだろうと思います。それでも全体で一時間半ほどかかりましたから、これが通常に序ノ舞を舞ったのでは冗長になってしまい、観ている方も大変です。

「白州正子も壽椿尼も 椿の精と現じたる 夢覚めて幻の 花は落ちて跡もなし 幻の花は失せにけり」とシテは姿を消し、ワキ留めで終曲。
趣きある一曲でした。再演されると良いですね。
(87分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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