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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

青野守さらにつづき

謡い終えたシテに、ワキが「如何にこれなる尉殿 御身はこの辺りの人にてましますか」と問いかけます。ワキシテの問答が始まりますが、ワキは由有りげな水を指し何というのかと尋ねます。

これにシテは「野守の鏡」と答え、自分たちのような野守が姿を写すので野守の鏡というのだが、誠の野守の鏡というのは昔鬼神が持っていた鏡を言うのだと聞いていると語ります。水鏡と鬼神の鏡の話になりますが、ワキは「はしたかの野守の鏡」と古歌に詠まれたのは、この水のことかと問いかけます。
「はしたか」に喜多流では「敏鷹」の字をあてるようですが、観世の大成版では「箸鷹」としています。この後で地謡の謡に出てくる、新古今和歌集巻十五にある歌「はし鷹の野守の鏡えてしがな思ひ思はずよそながら見む」を下敷きにしたやり取りです。

シテ老人はその謂われを語って聞かせようと、正中に下居して語になります。

昔、この春日野に帝の御狩があった時、鷹が行方知れずとなってしまった。彼方此方と探したが、一人の野守がやって来て鷹の行方を知っていると申し出た。
さっそく問いただすと、水の底に鷹がいるという話。水底に鷹がいるわけは無いと狩人達が水にばっと寄ってみると、まさしく水底に白斑の鷹がいる。水底の鷹を良く良く見てみれば、木の枝に留まった鷹の姿が水に映っていたことだ・・・と語り、新古今の歌が示されます。

この語の後半でシテは立ち上がり「狩人ばっと寄りて」で、正先に出て水底を覗く型を見せます。「ばっと寄り」ですから素早い動きを見せたいところですが、シテは老人。どう演じるかは工夫のいるところで、明生さんの演能記にもこの話が出てきます。
当日の印象としては、すっと正先に出た感じで、早めの動きではあるものの、老人である前提をけっして崩さない範囲と感じました。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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