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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

柑子のつづき

太郎冠者は、世間には「二つ生り」でさえまれなのに、まして三つ生りの柑子は珍しいものだと、手に提げてお供をしていたと語ります。
ところが、その三つのうち一つのほぞが抜けて(ヘタがとれて)門外へ転がってしまったので「こうじ(柑子に好事をかけたのでしょうね)門を出ず」と声をかけたところ、柑子にも心があるようで、木の葉のところで留まった。それで食べたと語ります。

三つのうち一つを食べたという太郎冠者ですが、ほぞが抜けてしまったので、今度はそのようなことが無いようにと、柑子を懐に入れてお供をしていたと話します。

しかし歩いていると「懐の中がひいやり」としたので、手を入れてみると、長柄の大鍔に押されて一つがつぶれていた。そこで今度は皮をむかずにそのまま食べたと話します。

主人はいささか呆れ気味ですが、まあ食ってしまったものは仕方がないので、残りの一つを出せと言います。
これに太郎冠者は「それにつき哀れな物語がござる」と言って、俊寛の話を始めます。

「さても平相国の御時」と語り出し、鬼界が島に流された三人のうち、成経と康頼は赦免されたが、一人俊寛は島に残されてしまったと語り、このように三つあった柑子も、一つはほぞ抜け、一つはつぶれ、一つは残る。人と柑子は変われども思いは同じ涙かな、と謡って一泣きします。

主は、それは俊寛の物語であろう、残った柑子を寄越せと太郎冠者に命じますが、太郎冠者は「太郎冠者が六波羅へ納めました」と六波羅と腹のうちをかけて答え、主が「しさりをれ」と叱って留になりました。
本当に簡単な小品ですが、東次郎さんの味わいある演技で、良い気持ちになりました。
(11分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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