雲林院さらにつづき
シテに問われたワキは、津の国芦屋の里の公光という者だが、幼少の頃より伊勢物語に親しんでいた。ある夜の夢に紅の袴を着けた女性と束帯の男が現れ、伊勢物語の草紙を持って佇んでいるので、そのあたりの翁に問うと、あれこそ伊勢物語の根本、在原業平と二条の后、場所は都北山蔭、紫の雲の林と翁が語るのを聞いて眼が覚めた。その夢を頼りにここまでやって来たと答えます。
これにシテは、あなたの心を感じつつ伊勢物語を授けよう、今宵はここに寝て夢を待つようにという不思議な言葉を語ります。ワキはその詞に従うことにしますが、さてそんな詞を語るあなたはどういう人なのかとシテに問いかけます。
シテは「その様年の古びよう 昔男となど知らぬ」と実にしゃれた返事をし、これに業平の霊と気付いたワキを残し、地謡のうちに舞台を一回りして中入となります。
シテが姿を消すとアイ都北山辺に住まいする者が、長上下の姿で登場してきます。常座で名乗った後、目付に出てワキに気付き、正中に座して在原業平と二条の后の古を語ります。
実はこのやり取りの中で、ワキの工藤さんは雲林院を「うんりいん」と発音し、アイの山本泰太郎さんは「うんりんいん」と発音していました。この鑑賞記の初日、雲林院を能では「うんりんいん」と読むと書きましたが、宝生流では「うんりいん」と読むとの話もあります。地名で読む「うりんいん」ではなく「うんりいん」というところが不思議なところです。
さて間語りが終わるとワキ、ワキツレの待謡になります。「袖を片敷き臥しにけり」と謡って眠りに入り夢を待つ形です。一声の囃子が奏されて後シテの出、銀色の狩衣に紫の色大口、巻嬰に老懸のついた冠を着けた後シテが登場し、一ノ松で謡い始めます。
このつづきはもう一日
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
これにシテは、あなたの心を感じつつ伊勢物語を授けよう、今宵はここに寝て夢を待つようにという不思議な言葉を語ります。ワキはその詞に従うことにしますが、さてそんな詞を語るあなたはどういう人なのかとシテに問いかけます。
シテは「その様年の古びよう 昔男となど知らぬ」と実にしゃれた返事をし、これに業平の霊と気付いたワキを残し、地謡のうちに舞台を一回りして中入となります。
シテが姿を消すとアイ都北山辺に住まいする者が、長上下の姿で登場してきます。常座で名乗った後、目付に出てワキに気付き、正中に座して在原業平と二条の后の古を語ります。
実はこのやり取りの中で、ワキの工藤さんは雲林院を「うんりいん」と発音し、アイの山本泰太郎さんは「うんりんいん」と発音していました。この鑑賞記の初日、雲林院を能では「うんりんいん」と読むと書きましたが、宝生流では「うんりいん」と読むとの話もあります。地名で読む「うりんいん」ではなく「うんりいん」というところが不思議なところです。
さて間語りが終わるとワキ、ワキツレの待謡になります。「袖を片敷き臥しにけり」と謡って眠りに入り夢を待つ形です。一声の囃子が奏されて後シテの出、銀色の狩衣に紫の色大口、巻嬰に老懸のついた冠を着けた後シテが登場し、一ノ松で謡い始めます。
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