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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

邯鄲の飛び込みを巡って

邯鄲の鑑賞記の後で、少しだけ書いておこうと思う旨を述べた飛び込みの話です。
この邯鄲の飛び込みというのは金春流の櫻間家が伝える独特の型です。金春流も喜多流も台の前で足拍子を踏んで飛び上がり横になった形で台上に落ちるという型が基本で、これも飛び込みといわれるようですが、櫻間家の型ではワキ正側から台に向かって走り寄りざまに飛び寝するという、さらに大胆な形です。初めて観た時は本当に驚きました。

櫻間家は、道成寺でも斜入という独特の鐘入りの型を持っていまして、継承される方は少ないのですが、なかなかに魅力ある演出です。
単にアクロバティックなだけなら飽きられてしまうと思うのですが、飛び込みにしても斜入にしても、アクロバティックで驚くというだけでなく、さらに曲の持つ意味を深める効果も持っているように思います。

六平太芸談には、櫻間左陣が邯鄲でたいそう評判を取り、しかもその飛込みが素晴らしかったので、十四世喜多六平太がどうしても自分でもやってみたくなったという話が出てきます。喜多流には飛込みの型がないので、やれば流儀の老人達に叱られるにきまっているのだが、それでもやりたくてある日思い切ってやってしまった。そうしたら案の定、お目玉をくらい、以後一切まかりならぬと言い渡されてしまったという話です。
「近来は猫も杓子もやるようになったが、本来流儀には無い型だし」とあり、現在、喜多流などで見られる台の側まで寄ってから足拍子を踏んで飛び寝するという形も、もともとは無かったのかも知れません。

本田芳樹さんはまさに飛び込んだ形で邯鄲を演じていますから、もしかして布由樹さんもと思ったのですが、なかなかハードルの高い演技のようです。
地蔵倒れなど、能にも驚くような型があります。それが目的という訳でもありませんし、六平太芸談に「又あれだけが器用にやれても・・・(中略)・・・なんにもならない。それよりは狭い一畳台の上で舞う楽がうまく舞えなけりゃ駄目なんだ」とあるように、それだけでは駄目だろうと思います。しかしきちんとした芸の上に、こうしたダイナミックな型が加わると、能の面白さが倍増するような気がしています。
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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